店主選りすぐりの奥深いギアの世界が広がる「風街道具店」【ふらっとショップ探訪 #1】

公開日:2022 / 10 / 03
最終更新日:2022 / 11 / 10

みなさんはキャンプギアをどう選びますか。

ネットに情報があふれる時代、無数のレビューを見比べて、とりあえず無難なものを購入していた筆者。いつしか実物を手に取って選ぶ機会も少なくなりました。

そんな折、何気なく立ち寄ったのが個人経営のアウトドアショップ。選りすぐりのギアや珍しいガレージブランドなど奥深い世界が広がっていました。

ネットや量販店とは一味違う魅力を放つショップを巡る連載「ふらっとショップ探訪」。第1回は、京都にある「風街道具店」を紹介します。

使ってなんぼの「道具」を届ける店


京都府大山崎町の住宅街の一角にある「風街道具店」。ガラス張りの出入り口を抜けると、キャンプ道具や生活雑貨が所狭しに並んでいます。


調理や焚き火に使うギアのほか、テントや寝袋など目移りしてしまうほど豊富なラインナップ。中には量販店では中々お目にかかれないガレージブランドのものもあります。


「お客さんが道具を手にした時にワクワクしてもらえるような店づくりを心がけています」と店主の米良慎平さん。棚や壁掛けをうまく利用して多彩なギアを陳列し、気軽に手に取りやすいような工夫がみられます。


店の奥にはテントなどを広げて試せるスペースも確保されています。

店名は親しみを持ってもらえるように横文字はあえて避けたそう。米良さんお気に入りの邦楽ロックバンドのアルバム名の一部から「風街」、長く使い続けてもらえる商品を届けたいという思いから「道具」を盛り込んだそうです。

ガレージブランドに魅せられて


米良さんは元々、京都にあるIT企業で約10年勤め、EC事業に携わっていました。独立起業後、パソコン一台でネットショップの運営を始めましたが、アウトドア用品の販売に舵を切ることになります。きっかけの一つとなったのが「ガレージブランド」でした。

小規模ながら個性的なギアを手掛けるガレージブランド。米良さんがその存在を知ったのはインスタグラムでした。「当時はガレージブランドというものが広く認知されていませんでした。こんなにかっこよくて珍しいギアなら必ずニーズがあると感じました」と振り返ります。


2018年2月、大阪で本格的にアウトドア用品の販売をスタート。同年10月に現在の場所に移転しました。当初から「asimocrafts(アシモクラフト)」、「Neru Design Works(ネルデザインワークス)」、「OLDMOUNTAIN(オールドマウンテン)」など国内のガレージブランドの商品を扱ってきたそうです。

ガレージブランドの魅力について聞くと「大きなメーカーとは違い、小ロットで作るからこそ、オリジナリティあふれる商品が生まれるところ」と米良さん。「その中からお客さんのスタイルに合わせて提案するのが僕の仕事なんです」と力を込めます

お客さんと共に作り上げるショップ


米良さんは登山やサーフィンのほか、家族や友人とのキャンプを楽しむオールマイティーなアウトドア派。最近ではバックパック一つで身軽にキャンプをするスタイルに熱中しており、年末年始には北陸や東海に遠征することもあるそうです。


お店では自分自身が使い込んでいるギアはもちろん、お客さんと一緒にキャンプに行った際の気づきを商品の仕入れに反映させることもあります。

さらに、コロナ禍で加速したキャンプブームによる市場の拡大を踏まえ、「うちでしか買えない商品はほぼなくなりました。だからこそ店独自のセレクトとお客さんへの提案の重要性を感じています」と真剣な表情で米良さんは語ります。

オーナーのおすすめ3選

武井バーナーの「パープルストーブ」


東京都葛飾区に本社を構える武井バーナーが手掛ける名品。燃料は主流のガスやガソリンではなく灯油なので、安く手に入る上に高火力なのが魅力です。

オーナーの一言メモ「コンパクトなのにとても暖かくて僕も実際に使っています。当店でもめちゃくちゃ人気のバーナーです」

サンゾー工務店の焚き火台「RODAN(ロダン)」


組み立て方次第でソロから複数人のキャンプに対応できる焚き火台のシリーズ。店内では暖炉のような半月型で展示されていました。同メーカーのアイアンテーブルとの相性も抜群です。

オーナーの一言メモ「分解すると小さく収まり持ち運びに便利。テーブル上で焚き火をするという新しいスタイルで、下に薪を置いて乾かしたり、ピザを焼いたりと楽しみ方は様々です」

京都の老舗あんこ屋とのコラボ商品


風街道具店と京都の老舗あんこ屋「都松庵」のコラボで誕生した「あんバター」と「アウトドアヨーカン(羊羹)」。あんバターは野外に持ち出しやすい食べきりサイズに。羊羹はこしあん、焼き芋、ミルクチョコレートと3つのフレーバーを用意。様々なアウトドアシーンで楽しめます。

オーナーの一言メモ「食べやすさや持ち運びなどキャンプとの相性を考えて作られています。アウトドアのお供にいかがでしょうか」

まとめ

今回、ご紹介した風街道具店は公式のインスタグラムで情報発信されており、フォロワー数は4.8万人(9月末現在)と人気です。ネットショップも運営されているので合わせてチェックしてみてください。

そして何より店舗に足を運んでみることをおすすめします。店内をゆっくり歩いて回ってもらえれば、みなさんのアウトドアや日常生活に溶け込むとっておきの「道具」がきっと見つかるはずです。

「風街道具店」基本情報

所在地:京都府乙訓郡大山崎町大山崎西高田10-1-B(阪急大山崎駅から徒歩約5分)
営業時間:平日12:00~20:00、土日10:00~18:00(木曜定休)
電話番号:075-874-5411
公式サイト:https://kazemachi-tools.com/
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/kazemachi_tools/

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ブッシュトモロー

アウトドアライター。新聞記者を経てフリーに転身。アウトドア業界や野外活動の現場で取材執筆に携わる。主に夏は登山、冬は狩猟という生活スタイルで、ネタと獲物を日々追っている。
Twitter:@bush_tomoro

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