何をしにソロキャンプに行くのかと問われれば…「肉を食べに行く」と答えます【ソロキャンプ連載 #5】

公開日:2022 / 02 / 20
最終更新日:2022 / 03 / 11

ソロキャンプで一番食べている大定番の肉


みなさんご存知、ソーセージです。たぶん僕のソロキャンプで一番食べている大定番の肉は、焼肉でもステーキでもなくソーセージです。

ソーセージは万能です。袋から出してサッと炙るだけでごはんのおかずにもなるし、おつまみにもなります。ケチャップやマスタード、マヨネーズや醤油などだいたいの調味料と相性がよいくせに、何もつけなくてもしっかり味がついている。

荷物を背負って何十分も歩いて行くようなキャンプの場合、他のお肉だと調味料や油が必要で荷物が増えますが、ソーセージは本体だけでいいのです。お皿もいらないどころか、落ちている枝を削って爪楊枝を作ればフォークすらいりません。パックではなく袋で売られているので携帯性も良く、ゴミも少ない。炙る以外に茹でるという選択肢もある。

さらに「加熱食肉製品」という表示のあるソーセージであれば、何かしらのトラブルで火が使えなくても生で食べることができます。もしかしたらキャンプ用に開発されたのかも? と思うほど、ソーセージは様々なアウトドアシーンにぴったりなのです。

これで終わると、ソーセージのステマみたいになりますので続けます。

最近ハマっているのはタンドリーチキンです。と言っても肉を漬け込むだけの素を買ってきます。

僕は特に買うものがないのに KALDI(カルディ)を見つけると吸い込まれてしまうくらい KALDI が好きです。KALDI にはキャンプで使えて、簡単でおいしいシーズニングや合わせ調味料がたくさん売っています。

密閉できる袋に入れ、揉みこむだけで準備は完了です。密封できる袋はキャンプで大活躍です。いつも大小様々なサイズの袋を数枚持っていきます。

調理で使うのはもちろん、生ごみを密封したいときもあるし、雨で塗れてしまった衣類を入れておけるし、火傷してしまったときは氷とお水を入れれば氷嚢(ひょうのう)にもなりますし、僕の友人は大きめの密閉袋に空気をパンパンに入れてタオルで巻いて枕にしていました。

話を肉に戻します。

調味料に漬け込んだ肉を焼くのはだいたいスキレットです。ソロ用の鉄板も持っていますが、あまり使っていません。

スキレットは立ち上がりがあるのでタレも漏れないし、食材が転げ落ちることもありません。取っ手があるので使い勝手が良いし、あとは何よりもスキレットで焼いていると何でもおいしそうに見えます。

熱したスキレットで肉を焼いていきます。漬け込んだ肉はそうではない肉よりも焦げやすいので注意が必要です。あと、鶏や豚など中まで確実に火を通す必要がある肉はしっかり照らして焼きましょう。

キャンプ初心者のあるあるのひとつに「持参したランタンの光量が小さい」というものがあります。

夜のキャンプ場は思っているよりずっと暗いです。小さいランタンひとつでは、食材を照らせばテーブルが暗くなり、テーブルを照らすと食材が暗くなってしまうのです。多少オーバースペックでも、光量が調整できる大きめのランタンを用意した方が後々後悔しません。

あとは両手が空くヘッドライトが便利ですね。ヘッドライトはグループキャンプで行くと他の人から「まぶしいからこっち見ないで」と言われますが、ソロなら気兼ねなく使えます。

メンタルが長女の僕。ソロキャンプだから…


お皿に盛り付けてタンドリーチキンの完成です(こうやって写真を見ると唐揚げに見えますね)。添えられている野菜はクレソンです。

このキャンプに行く前日、地上波でジブリアニメの「風立ちぬ」が放映されていました。そこでカストルプという謎の外国人が山盛りのクレソンのサラダをもりもりとおいしそうに食べるシーンがあるのですが、それを見ていたら無性にクレソンが食べたくなったのです。

これは「ガイヤーン」というタイ料理の合わせ調味料です。これも同じく肉に漬け込み、焼くだけです。これもタンドリーチキンと同じく KALDI で買いました。僕のソロキャンプは KALDI さんにおんぶに抱っこなのです。

このときはモモ肉を1枚、そのまま焼いています。スキレットだと皮がパリっとおいしそうに焼けます。筋トレをしているので家では茹でた皮無しの鶏むね肉ばかりを食べていますが、キャンプのときはモモ肉を食べるし、皮も食べます。

この日の付け合わせはパクチーです。昔は苦手だったのですが、いつの間にか食べられるようになっていました。食べられるどころか、大量に食べたくてわざわざキャンプ前に買っておくくらい好きになっていました。

パクチーくらい独り占めでたくさん食べられることに喜びを感じることができる葉っぱは、他に無いと思います。春菊とかニラを独り占めできるって言われてもうれしくないですよね。

半分刻んでこの量です。まな板はほぼ使いませんが、念のため小さいカッティングボードをいつも持っていきます。吊るせるように取っ手を自分で付けました。ありとあらゆるキャンプ用品は、吊るせるようにしたほうが便利です。

お皿に盛り付けたら完成です。トマトはキャンプ場にチェックインした際に管理人さんがくれました。レモンはお酒に絞る用に買ったものです。

ソーセージしか持っていかない時はお皿は持っていきませんが、調理するときはホーロー製のお皿を持っていきます。割れる心配がありません。ちょっとかさばりますが、せっかく調理するならちゃんとしたお皿に盛り付けたいのです。一気に完成度も満足度も上がります。

鶏モモ1枚そのまま焼く際や、あとはステーキなんかもそうなのですが、一口目をど真ん中から食べるとテンションが上ります。僕はメンタルが長女なので、みんなでシェアするときって、どうしても遠慮がちに端を選んでしまいます。

でも、せっかくのソロキャンプです。自由に、好き勝手やりたいじゃないですか。僕にとって、その「好き勝手やる」の象徴となる行為が「肉をど真ん中から食べる」なのかもしれません。

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ウイ ケンタ

ライター・コラムニスト。三冊目の書籍『38歳、男性、独身』がKADOKAWAより5/20に発売。

オンラインサロン『喫茶クリームソーダ』運営。アウトドア歴15年目。キャンプは年間40泊以上。車の購入と海辺への引っ越しを計画中。

趣味はアウトドアと散歩。レモンサワーと大型犬が好き。エレカシのファンクラブに長年入っている。

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