還暦超えキャンパーが穴場の河原で冬ソロキャンプに挑戦!思わぬ失敗も経験した1泊2日

公開日:2023 / 01 / 22
最終更新日:2023 / 11 / 02

関東地方が好天に恵まれた1月初旬、購入したばかりの冬用シュラフのテストを兼ねて、自転車に荷物を積んで多摩川に面した「釜の淵公園」(青梅市)の河原でキャンプしてきました。

春から秋にかけては家族連れやグループのBBQでにぎわいますが、私が訪れた1月4日は親子連れが2組ほどと閑散。夕方には誰もいなくなり、多摩川のせせらぎを独り占めできる都内の“穴場”でした。

いろいろと失敗もありつつ、初体験となる真冬の完全ソロキャンプを満喫しました。その様子をご紹介します。

緩い勾配も還暦過ぎにはハード

自転車はコスパ良しのランドナー

キャンプギアと自分を運んでくれる自転車は昨春購入したARAYAの「フェデラル(FED)」。初心者向けのコスパの良いランドナー(ツーリング用自転車)です。前後のパニアバッグ4個とフロントバッグに積み込んだキャンプギアの総量は約20㎏。還暦を過ぎ体力は低下する一方ですが、太めのタイヤと頑丈な作りで安定した走行が楽しめる有難い自転車です。

行程

行程を紹介しましょう。

川崎市中原区の自宅から15分ほどで多摩川沿いのサイクリング道路に入り、福生市を超えた辺りから奥多摩街道、吉野街道を進みました。青梅市に入ってほどなく見えてくる亀の井ホテル(旧かんぽの宿青梅)の前を通って急坂を下れば、今回のキャンプ地である釜の淵公園の入口です。

片道50㎞とそれほどの距離ではないけれど、半分を過ぎた辺りから少しずつなだらかな上りとなり、荷物の重さと体力消耗で、還暦を過ぎた老体には結構ハードでした。

4日朝6時半に出発し、途中買い物をしたり、小まめに休憩を取りながら、グーグルマップで3時間と表示されたルートを7時間半かけてようやく到着しました。日頃のトレーニングの重要性が身に沁みました。

往路が予想外に辛かった分、ほぼ同じルートを戻った翌日の復路は、下りとなるため楽に走れました。

昼食で食堂を探したり、サイクリング道路沿いの「二ケ領せせらぎ館」で休憩がてら多摩川に生息する在来魚種を観賞したり、のんびり走ったつもりでしたが、往路より2時間早く帰宅できました。

国交省が管理する河原でキャンプ


釜の淵公園は、青梅駅から徒歩15分ほどの多摩川の蛇行部分の内側に突き出た林間の公園で、きれいに整備されています。

芝生や林間の公園内を青梅市が管理し、河原は国土交通省の管轄になります。こういった公園では珍しく、24時間利用可能になっており、河原では春から秋にかけてBBQ利用者でにぎわっていますし、なんとテント泊も予約なしで可能です。

キャンプ利用は河原限定。芝生や林間エリアはNG


ただしここはキャンプ場でなく、あくまで公園。昨夏に修繕されたトイレや飲料用の水道設備はありますが、炊事場やゴミ箱はありません。青梅市の公園緑地課に問い合わせたところ、食器洗いは禁止で、ゴミは持ち帰りとのことです。

また、キャンパーとして絶対注意したいのが、公園内の芝生や林間でのキャンプは禁止ということ。もちろん立て看板もありました。

公園に隣接する河原がキャンプ可能エリアで、国交省が一定の条件付きで「自由使用」を認めています。

国交省によると、キャンプ地の対岸にはマンションなど人家も多いため、夜間大きな声で騒ぐ、あるいは打上花火など大きな音を立てるなどの迷惑行為は厳禁とのことです。暖かい時期には外国人グループなどが大音響で音楽をかけて騒ぐ、あるいは粗大ごみを放置するなど目に余る行為もあり、市に苦情が寄せられることもあったそう。利用禁止にならないようマナーを守って楽しみたいものです。

キャンプ地はここ

公園から河原に降りるには階段が2カ所あります。土手から降りることもできますが、冬期は針金で固定した石の土手に大量の落ち葉が積もっていて足場の凸凹が見えにくく転倒の危険があります。

テント設営

私は到着後、とりあえず缶ビールで喉の渇きを潤してからテントを設営。ヒルマン製のダブルウォール2人用ドームテント(210×140cm)で、設営はきわめて容易。1人で10分足らずで完了します。

インナーは半分以上がメッシュのため、夏は通気性が高いけれど冬は外気に近い温度まで下がるのが難点です。当日は無風で穏やかでしたがスカートのついた冬用テントがほしくなりました。

グランドシートの下には落ち葉をかき集めて大量に敷きつめました。寝心地と暖房効果を期待しました。テント内はフカフカで小石などの凸凹は全く気にならず、地面の冷気も感じなかったのでそれなりの効果を発揮。これはお勧めです。

テント設営後、焚き火用の小枝を拾い集めました。好天が続いていたため乾燥しているけれど、手抜きをしたので長時間の焚き火には心もとない量。近隣の店に電話で問い合わせたところ、BBQ客の多い季節しか薪は売っていないとのことだったので、冬は薪の入手方法を事前に確認しておく必要がありそうです。

ステンレスのミニストーブはヨーラー製で、ソロキャンプには手ごろな横17×奥行15×高さ18cmのサイズ。調理にも焚き火にも使えて便利だけれど、1㎏弱とやや重く自転車に積むかどうか迷いましたが、今回は持参して正解。短時間でも焚き火で暖をとれたのは幸いでした。

煮炊きには、CB缶用のシングルガスバーナーを使いました。以前はイワタニのOD缶シングルガスバーナーを使っていましたが、OD缶は割高でかさ張り、買える店も少ないため、どこでも安く買えるCB缶用のガスバーナーに変更していました。そしてこれが後ほどの失敗に繋がります。

次のページは、経験したことで分かった、冬キャンプで忘れがちな失敗について。

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芳賀 由明

大学卒業後、スペインで就労。
帰国後、アフリカ料理店、全国紙などを経てフリーライターに。

得意分野は経済全般のほか観光、食文化、アウトドア。キャンプ歴は50年でいまも伊豆諸島などでキャンプと釣り・魚突きを楽しむ。前期高齢者の仲間入りを機にツーリング用自転車を購入。
カネも体力も無理しないポスト・ファミリーキャンプの楽しみを追求。

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