キャンプには車がないとダメ?そんなことありません。電車+自転車の旅で「輪行ソロキャンプ!」

公開日:2022 / 12 / 25
最終更新日:2022 / 12 / 26

「キャンプに行くには車がないとダメ」と思い込んでいる方も多いのではないでしょうか。そんなあなたに、自転車と電車などの公共交通機関を併用した輪行キャンプ旅をおすすめしたいと思います。

前回の記事でご紹介したように、筆者は茨城県の霞ヶ浦で行われたBIKE&CAMPイベントを取材しましたが、自転車と電車を併用した「輪行」スタイルでソロキャンプに挑んでいました。

↓ BIKE&CAMPの取材記事はこちら ↓


旅の目的地はキャンプ!「BIKE&CAMP KANTOU 2022」の主催者に自転車旅の魅力を教えてもらった

今回はその輪行キャンプの計画と注意点の解説、さらに土浦・霞ヶ浦エリアの自転車コースの模様、さらにはイベントに出店していた、輪行キャンプで訪れた際にぜひ立ち寄ってほしい地元グルメなどの情報をお伝えいたします。

「輪行」って何?注意点は?


輪行とは、自転車を分解して専用の輪行袋に収納し、電車やバス、飛行機などの公共交通機関に持ち込んで旅をすることをいいます。

欧米では、自転車をそのまま電車内に持ち込むことは一般的ですが、日本では一部の特別列車以外、認められていません。

筆者も過去に、アメリカやカナダ、イタリアに自転車を持込んだ経験がありますが、電車やバスの車両内にサイクルラックや自転車を固定するバンドが設置されており、日常的に自転車を持ち込んで利用できる便利さを体験しました。

一方日本では、乗客の密度の高さを考えると、公共交通機関に自転車をそのまま持ち込むことは、ルールの有無にかかわらず現実的に難しいでしょう。

輪行の計画前に運行会社の規定をチェック

自転車の持ち込みに関する細かい規定は、乗車する運行会社によって異なりますので事前確認が必要です。

今回乗車したJR東日本の規定は以下のようになっています。

タテ・ヨコ・高さの合計が250センチ(長さは2メートルまで)以内で、重さが30キロ以内のものを2個まで。

自転車は、解体し専用の袋に収納したもの、または、折りたたみ式自転車においては折りたたんで専用の袋に収納したもの

自転車を車両に持ち込むには、輪行専用の袋が必要になります。また、自転車の種類によっては分解(組立)する作業が必ず発生します。

まず、日頃からそういった作業に慣れる必要があります。また、専用の工具や部品が必要になるので、まずは自転車ショップ等で相談することをお勧めします。

そして忘れてはならないのが、規定に沿っていたとしても、自転車は大きな荷物になるということ。周囲の乗客の迷惑にならないように気をつけましょう。

「輪行ソロキャンプ」は計画が重要!

今回、土浦駅まで輪行し、りんりんロードを少し探索してから、霞ヶ浦のイベントにてソロキャンプを楽しみます。

輪行キャンプの場合、「キャンプ装備」と「自転車」と言う大きな荷物が二つ以上あることになります。それを電車などに持ち込むことを考えると、満員電車は避けたいものです。

筆者は乗換検索に、「yahoo!乗換案内アプリ」を利用しているのですが、混雑予想が表示されるので、混雑しにくい時間帯を狙って計画していきます。

特急の指定席を利用すると荷物置き場を確保することができる場合もあるので、遠出する際は利用するのもありでしょう。

今回の取材では、取材当日の天気予報が不安定なことが事前にわかっていました。天候の状況を見て、自走と輪行の分量を臨機応変に対応することにした為、残念ながら特急は使わないルートで計画しました。

輪行キャンプ当日の輪行計画

自宅最寄りの駅から土浦駅までは、山手線で品川駅まで行き、そこでJR上野東京ラインに乗り換えると土浦駅まで直通で行けます。

土曜日の朝7時台を出発時間にしたため、通勤ラッシュの心配はありませんでしたが、やはり週末の山手線の混み具合が気になります。

そこで、自転車の機動力を活かし、自宅から品川駅までの約5キロを自走しようと考えました。

ここで問題になるのが、実際に自転車を乗り入れられる場所からホームまでの徒歩の距離になります。自転車を分解収納し、キャンプ装備も背負うと、20キロ以上の大きな荷物になるので、徒歩距離は少ない方が理想です。

品川駅は駅ロータリーより自転車は侵入できないので、ホームまでの徒歩距離がかなり長くなります。そこで、次の停車駅の新橋駅まで自走、そこから輪行することにしました。

このように、目的地、乗り換えなど、ルートによって様々なプランを工夫するのも、輪行旅の醍醐味なんです。

ウェルカム自転車!な土浦駅


筆者は普段から、輪行で里山MTB遊びを楽しんでいます。行く先々の駅では、輪行袋を担いで駅の外まで出ないと自転車を組み立てられないので、かなり労力を使います。

ところが、地域全体でサイクリストを歓迎してくれている土浦には、JR土浦駅の改札を抜け、足元に引かれた青い線を辿って左に進むとすぐに「自転車組み立てエリア」が存在するのです!

ここで組み上げた自転車は、青い線を辿って押して歩く事ができ、なんとエレベーターでロータリーへ押し進むことが可能なんです!

また、駅西側のエレベーターを降りると、サイクルラックが常設されたタリーズコーヒーがあるので、出発前のコーヒーブレイクもできちゃいます。

他にも、自転車ショップが駅に併設されており(筆者が到着した時は開店前)、サイクリストに心強い環境が整っています!

つくばりんりんロード散策

つくばりんりんロードとは、土浦駅直結の「りんりんスクエア土浦」を起点とした、旧筑波鉄道の廃線敷を利用したサイクリングコースのこと。

霞ヶ浦を一周する、通称「かすいち」と呼ばれる約130kmのコースや、筑波山方面までも網羅するコースなど、初心者から強者まで楽しめるコースが整備されています。

筆者が訪れた際には、漫画「弱虫ペダル」とJR東日本がコラボしたデジタルサイクルラリー(※)が開催されており、土浦駅入口に大きな看板がありました。

※記事公開時にはデジタルサイクルラリーは終了しております。

筆者はキャンプ道具満載のMTBで訪れたので、取材イベント開始前の僅かな時間で、りんりんロードを少しだけ走ってみることにしました。

つくばりんりんロードの様子


廃線敷は走りやすく、左右に広がる田園風景に心がリフレッシュされます。

休憩ポイントには、昔はホームとして使われていたであろう設備が残っていたりと、ちょっと面白い風景が見られます。

土曜の朝9時過ぎでしたので、スポーツバイクでのサイクリストも何名か走っていましたが、軽快車(いわゆる普通のママチャリ)に乗る地元の人であろう方々も見受けられました。

綺麗なトイレもできており、サイクリストにも優しいコースだと思いました。トイレ脇には無料で使える電動の空気入れもあり、至れり尽くせりです。

残念なのは、この電動空気入れのチャック(先端部分)が、軽快車に使われている英式バルブを挟む洗濯バサミ形式のみだった点です。

この形式の場合、スポーツ車によく使われている仏式や米式バルブに使えません。

ただ、スポーツ車に乗るサイクリストは、携帯ポンプを常備していることが多いので、地元の方々が多く利用しているであろう軽快車には、これでいいのかもしれませんね。

キャンプ場まで楽々自走


公共交通機関を使ったキャンプで一番の問題になるのが、電車駅からキャンプ地への移動手段です。路線バスが通っている場所もありますが、便数が極端に少なかったりと利便性に欠けることも。

タクシーで移動という手もありますが、不経済ですし、帰りはキャンプ場まで配車をお願いしなくてはなりません。

その点、輪行ならば駅からの自由度が増します。訪れたエリアの名所やグルメめぐりなど、散策の幅が広がりますね。

地元の「美味しい」との出会い

自転車ソロキャンプの一番の醍醐味は、気になるお店やスポットに、気軽に立ち寄れる自由度の高さです。

今回はイベントの取材を兼ねており、宿泊2日目は昼前からあいにくの雨という状況だったので、時間的な余裕がなく地域のお店を訪ねることができないのがとても残念でした。

それでもイベントに出店している何店舗かの素敵なグルメと出会えましたので、ご紹介しましょう。

常陸野ネストビール|佐藤酒店プレイアトレ土浦店ブース


イベント内に出店されていた、佐藤酒店プレイアトレ土浦店さんのブースにて、店長の三森さんにお勧め頂いた、「だいだいエール」と「ゆずラガー」!

「だいだいエール」は、爽やかさの奥にコクがあり、飲みごたえのある美味しさ。「ゆずラガー」は鼻に抜ける柚子の香りが爽やかですっきりとしたビールでした!

自転車で適度に消耗した体にビールが染みわたります。キャンプ地に着いてしまえば、自転車で移動することもないので、お酒が飲めるようになるのも嬉しいところ。

うな重バーガー|とみた家


霞ヶ浦湖畔にある つくだ煮・うなぎのとみた家さんの「うな重バーガー」!青じその香りと共に、国産うなぎをライスでサンドした、うな重バーガーです!

筆者はうなぎの蒲焼が大好物で、以前よりうな重バーガーなるものの存在は耳にしていました。正直、イベントの取材の合間でサクッと食べられるなら、と期待半分で購入したのですが、食べてみて衝撃!

これが480円!(※イベントでは500円でした)とびっくりな美味しさ!かすいち(霞ヶ浦一周サイクリング)の際にも立ち寄りしやすいので、是非お試しを!

冷凍でのお取り寄せも可能です。

とみた家 基本情報
TEL:029-886-0220
FAX:029-886-0293
住所:〒300-0401茨城県稲敷郡美浦村馬掛496

キャンプ専用カレー|Days鵠沼


地元ではないのですが、神奈川県の鵠沼海岸よりイベントに出店していた「キャンプ専用カレー」なるものを発見!

こちらは、鵠沼海岸にあるおしゃれなカフェDays鵠沼さんから発売の、レトルトカレーです。

試食させてもらったのですが、これがスパイシーで美味しい!オーナーの矢澤さんによると、キャンプでのBBQで焼いたお肉や野菜と合わせて食べられるように、あえて具を入れないレトルトカレーを開発したとのこと。

野味溢れるスパイスが、キャンプやBBQなどのアウトドア料理にマッチします!

現在、青根キャンプ場神之川キャンプ場このまさわキャンプ場に、自販機を設置中とのこと。これを目的にキャンプに行くのもアリじゃないでしょうか。

また製品サイトからオンライン購入もできるようになっています。
https://www.dk-campcurry.com/

土浦・霞ヶ浦エリアで輪行キャンプしてみませんか

サイクリスト天国の土浦には、星野リゾートが手がける、自転車と一緒に宿泊できるBEB5もあります。

また、霞ヶ浦周辺には、キャンプ場も幾つかありますので、霞ヶ浦一周(かすいち)プラスキャンプ泊なども楽しいですね。自転車の機動力を発揮して、地元グルメや名所との出会いも楽しめます。

ぜひ次のキャンプ計画に、土浦、霞ヶ浦エリアも候補に入れてみてはいかがでしょうか?次回の記事では、自転車ソロキャンプ、輪行ソロキャンプのおすすめ装備やパッキングの紹介をする予定です。

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森山 敦士

目黒区在住の1児の父。
事業経営をしつつ兼業主夫として、子育てや各種ボランティアなどにも携わる。息子が大人になる時、より良い社会にする為に、社会人の働き方や人生のマネージメント相談にのったりもしています。

小さなオープンカーに荷物を積み込んで、息子と二人でキャンプやカヤック、BMXやMTBなど、アウトドアを駆け回るアラフィフです。

Facebook:https://www.facebook.com/atsushi.moriyama.7

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