自転車&キャンプの祭典で専門家にバイクパッキングについて聞きました!「PAAGOWORKS」のメーカートップによるおすすめギアも

公開日:2022 / 01 / 18
最終更新日:2022 / 03 / 07

埼玉県さいたま市で行われた参加型自転車イベント「バイクロア11」。前回の記事では、バイクロア11での12時間耐久レース密着取材の模様をお届けしました。

今回は、企業ブースに出店されていたブランドやショップの中から、バイクパッキングや人気グッズを取材。専門家や人気メーカーのトップにお話をうかがうことができました。

さらに、会場で見かけた個性的な参加者のみなさんのキャンプスタイルを紹介していきます。

自転車キャンプは主に3つのスタイル

自転車キャンプのスタイルは、大きく3つに分類されます。

自転車への積載能力重視。より多くのキャンプギアを持ち運ぶ

積載力の高いカーゴバイクなどの自転車か、もしくは自転車に荷台などを取付けて使用するスタイルです。自転車で走る事よりも、快適にキャンプする事に重点を置いたスタイルと言えるでしょう。

軽量&コンパクト。キャンプギアは簡易的に自転車に取り付けるかバックパック

キャンプでの快適さよりも、自転車の軽快さに重点を置いたスタイルです。いわゆるウルトラライトと呼ばれる、キャンプ道具の軽量&コンパクト化により、実現可能になりました。

車に自転車とキャンプ道具を積載。キャンプ先で自転車も楽しむスタイル

自転車は移動の手段ではなくキャンプ先での遊びと捉え、荷物として車に積み込むスタイル。車でキャンプ地まで移動できるので、キャンプ道具や自転車選びの自由度が高く、人気の遊び方です。

バイクパッキングについて専門家に聞いた


筆者がマウンテンバイク(以下MTBと略)で一緒に遊ばせて頂いている、オルタナティブバイシクルズの北澤社長に、バイクロアのブースでお話を聞く時間を頂けました。

北澤さんは、世界中を自転車で旅して回った経験があり、自転車キャンプの情報も沢山お持ちです。

自転車で旅をするのに役立つパーツや、自転車ブランドの輸入代理店も経営されており、山と渓谷社より出版されている「バイクパッキング BOOK 軽量バッグシステムが創る新しい自転車旅」も執筆するなど、バイクパッキングの第一人者と言っても過言では無いでしょう。

現在でも週に3日は、MTBで全国のパークやトレイルを走り回っている北澤さんによると、10年程前から、自転車に荷台などを付けない、軽量なバイクパッキングがトレンドになってきたそうです。

それまでは自転車で旅をする為には、フレームやフォークにリアキャリア(荷台)や積載部品を取り付ける為のダボ穴(ネジ穴)が設置されている、専用の自転車が必要でした。

写真は荷台などの積載装備が設置された自転車です。


これまでこのタイプの自転車はスポーツバイクに比べると重く、自転車の軽快感を楽しむと言う面は損なわれてきました。それがキャンプ道具の軽量化とコンパクト化により、自転車のフレームの隙間やハンドル周辺などに収めることが可能になりました。

これによりキャンプギアを積んでも、スポーツ自転車の軽快な走りを楽しめるスタイルになりました。


画像は、自転車で旅をするのにおすすめなタンブルウィードバイクのスターゲイザー。

自転車パッキングにおすすめパーツの紹介


山道を安定して走るMTBは、ハンドル幅が広く長距離移動に向きません。その手助けになるパーツが Ridefarr(ライドファー)のカーボンボルトオンです。

ロードバイクの基本姿勢であるエアロポジションが取れるだけでなく、パーツ下部にテントなどの荷物も括れます。

フレームのトップチューブ上部に取り付け可能な、アピデュラのロングトップチューブパック。かなりの大容量ですが、前後に引っ張れる固定方法で、揺れたりしないのがお勧めだそうです。

オルタナティブバイシクルズでは、上記のような自転車キャンプにぴったりな製品やパーツの相談にも乗ってもらえます。

軽量なだけでなく、快適性を重視したキャンプ道具作り


「NINJASHELTER (ニンジャシェルター)」や「NINJATENT(ニンジャテント)」などで有名な、「PAAGOWORKS(パーゴワークス)」代表斎藤徹さんに、お話を伺いました。

PAAGOWORKSは、徒歩や自転車といった“人力”での移動を念頭に、商品開発がなされています。ただ山岳テントなどの軽量テントでは、結露などで快適性が失われてしまうんだそうです。

そこでPAAGOWORKSでは、軽量でコンパクトな長所に加え、快適性もテーマにして、日本の気候で使いやすいキャンプギアを開発しています。

テントの軽量さを重視する場合、非自立型のシングルウォールのテントが多くなります。しかし湿度の高い日本では結露の問題もあり、ダブルウォールの方が快適です。

ドームなどの自立型の方が設営場所を選ばず、日本のキャンプシーンに向いているのではないかと考えたそうです。

その条件をクリアしながら開発したのが、NINJATENTです。

テントの長手方向に入口を設置して、前室のフライをタープ代わりに使えるようにしたことで、タープがなくても快適に過ごせる設計にしたそうです。

このフライには画期的な排水機構を付けており、雨が降ってもフライシートに溜まらないように工夫がされています。

なお、このNINJATENT、ウェブショップでは大好評につき在庫切れ(2022年1月6日現在)。

今回バイクロアのイベントの為に特別に在庫を用意しましたが、あっという間に売り切れてしまいました。

ニンジャシリーズのおすすめ焚き火台


売切れ続出の大人気ニンジャシリーズですが、新しくソロ焚き火台も販売されました。世界最軽量クラスの「NINJAFIRESTAND SOLO(ニンジャファイアースタンド・ソロ)」です。

斎藤さんが、多くの薪とビールを費やして開発したと言うソロ焚き火台は、バックパックのサイドケットに収まるコンパクトさです。


五徳兼トングにもなるパーツや、本体のスペア部品にもなる火吹き棒など、非常にユニークなアイデアが詰まっています。

筆者も思わず「これ、欲しいなぁ」とつぶやいてしまったほど、気に入りました。

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森山 敦士

目黒区在住の1児の父。
事業経営をしつつ兼業主夫として、子育てや各種ボランティアなどにも携わる。息子が大人になる時、より良い社会にする為に、社会人の働き方や人生のマネージメント相談にのったりもしています。

小さなオープンカーに荷物を積み込んで、息子と二人でキャンプやカヤック、BMXやMTBなど、アウトドアを駆け回るアラフィフです。

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