注目のキャンプスタイル!都会の子供たちと“ブッシュクラフト体験”をして見えて来たこと

公開日:2024 / 01 / 26
最終更新日:2024 / 01 / 26

「ブッシュクラフト」と聞くと、どんなイメージを持つでしょうか?

ナイフ一本で自然の中に入り、枝や倒木などを集めて削って火を起こし、その場の材料のみで就寝スペースを確保する。

そんなワイルドなサバイバルスタイルをイメージする人も多いのではないでしょうか?

筆者の子供が通う小学校では、父兄を中心とした保護者による任意団体「おやじの会」が結成されています。そのおやじの会が主催した、災害時に避難所をスムーズに開設するための訓練を行った際、火起こしや飯盒炊爨(はんごうすいさん)の手伝いをしてくれた方から名刺をいただきました。そこには「ブッシュクラフト」の文字が。

好奇心からその名刺をくれた方にブッシュクラフトについて話を聞いてみると「小枝を削って串一本作るだけでも、ブッシュクラフトなんですよ〜」と愛嬌たっぷりの笑顔を向けてくれました。

これが今回お話をうかがうことになる「キッズ・ブッシュクラフト・アドベンチャー」を運営する、小池正倫さん(44)との最初の出会いでした。

小池さんは、世田谷線の上町駅と世田谷駅の二ヶ所で「スポーツテラス・ガーヤ」というスポーツスタジオを経営しながら、子供たちにブッシュクラフト体験を提供する「キッズ・ブッシュクラフト・アドベンチャー」も運営されています。

今回はそんな小池さんの取材をしてきました。

ブッシュクラフトってなに?

ブッシュクラフトとは、ナイフや火打石、ロープなど最低限の道具を使い、フィールドにある物を工夫してキャンプをするスタイルです。

キャンプブームで様々な便利なキャンプツールが増えた昨今、とても個性的なスタイルと言えるでしょう。

創設者が語る。キッズ・ブッシュクラフトを立ち上げたきっかけ

世田谷で女性と子供向けスポーツスタジオ起業

世田谷線の世田谷駅から徒歩1分にあるスタジオの2階のオフィスに、取材に伺いました。

11年前に、弟さんと2人でスポーツスタジオを起業した小池さん。

最初は生徒さんが集まらず、弟さんがチラシを作成し2人で近隣にポスティングをするなど苦労されたそう。懐かしそうに笑顔で語り合う仲の良いご兄弟です。

さっそく「キッズ・ブッシュクラフト・アドベンチャー」の立ち上げ経緯からお話を聞いてきました。

最初は子ども達とのサマーキャンプだった

前述した2ヶ所のスポーツスタジオが軌道に乗ってきた頃、生徒さんの子供たちをサマーキャンプに連れ出す計画を立てたのが、最初のきっかけだったそうです。

残念ながら天候不良でこのキャンプは中止になりましたが、改めて学び直す機会だったと捉え、キャンプインストラクターの資格を取得。
この時に、従来のグループ活動型キャンプから一歩踏み込み、子供たち一人ひとりにしっかりとした知識と技術を身につけられるものはないかと模索する中、ブッシュクラフトを知ります。

日本のブッシュクラフト第一人者でJapan Bushcraft School校長の川口拓氏との出会いが、小池さんに大きな影響を与えたと語ります。

ただ単にキャンプやBBQをするだけでなく、自然の中で様々な工夫をしながら過ごすブッシュクラフト・キャンプの楽しさを、川口氏に教えてもらった小池さん。一念発起してJBS認定ブッシュクラフトインストラクター®の資格も取得します。

そして、運営するスタジオの子供たちだけでなく、より多くの子供たちに、自然の中でブッシュクラフトを体験する場を提供したいという想いから、キッズ・ブッシュクラフト・アドベンチャーを立ち上げたそうです。

なぜ、都心の子供たちにブッシュクラフト体験?

公園でも遊べない都心の子供たち

ご自身のお子さんも、都内の小学校に通わせている小池さん。

起業前は幼稚園、小学校の体育指導をしていて、子供たちの教育環境にも高い関心を持っていたそうです。

都内の公園でよく見かける「ボール遊び禁止、大声禁止、自転車禁止、スケボー禁止、あれも禁止これも禁止……」という注意書き。そんな子供たちを取り巻く環境に疑問を抱いていました。

都会で今の時代を過ごす子供たちにとっては、家で遊ぶことが増えてきて当然の環境になっていると感じたそうです。

そしてある記事との出会いも、危機感を持つきっかけになったと小池さんは語ります。
その記事では、ノンフィクション作家兼ジャーナリストであるリチャード・ルーヴが、2005年にアメリカで発表した『Last Child in the Woods(森のなかの最後の子供)』という本の内容が紹介されていました。
そこでは「部屋で過ごす方が楽しいと感じる子供たちが増え、自然界へのアクセスが制限されたことにより、自然から切り離され、心身に悪い影響を与えている」との警鐘とも言える内容が取り上げられていたのです。

この記事を読んだ小池さんは、それならば学校や家以外の場所でも、子供たちが楽しめる体験を提供したいと思ったそうです。

アクティブラーニングとブッシュクラフトの親和性

アクティブラーニングとは「課題の発見・解決に向けた主体的・恊働的な学び」のことを指します。

2020年度より、文科省が「主体的な学び」を新しい学習指導要領に定めました。

先生から一方的に話を聞くと言う受動的な学習ではなく、子供たち自らが考え、工夫し、行動する学習が推奨されはじめました。

自分のことは自分で工夫してやってみる、というブッシュクラフト体験では、主体的な学びが実際に得られます。

スクールでは、シートと木の枝で完成した小屋を見せ、これと同じものを作ってごらん、というテーマを出します。

すると、子供たちは創意工夫を凝らして挑むようになります。その過程で、自ら考え、協力し合い、実際にやってみて、時に失敗をしながら学んでいきます。

買ってきたテントを組み立てるだけでは体験できない、まさにアクティブラーニング型の体験です。

続きはこちら⇒【ブッシュクラフト・スクールでは何をするの?

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森山 敦士

目黒区在住の1児の父。
事業経営をしつつ兼業主夫として、子育てや各種ボランティアなどにも携わる。息子が大人になる時、より良い社会にする為に、社会人の働き方や人生のマネージメント相談にのったりもしています。

小さなオープンカーに荷物を積み込んで、息子と二人でキャンプやカヤック、BMXやMTBなど、アウトドアを駆け回るアラフィフです。

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