“備えて終わり”だけでは死亡事故に繋がる?! 専門の研究機関が伝えるキャンプや災害時に使う製品の事故防止ポイント

公開日:2025 / 10 / 10
最終更新日:2025 / 10 / 10

地震や台風など自然災害が多い日本では、カセットこんろや携帯発電機といった、ライフライン停止時に役立つ製品を備えている家庭も多いでしょう。しかし、これらの製品の事故も発生しており、中には死亡事故に至るケースもあります。

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE:ナイト)は、災害時に活躍する製品を安全に使うための注意点を発表しました。

事故の現状と危険性の高い製品

NITEに通知された製品事故情報によると、2020年から2024年の5年間で、カセットボンベ等に関する事故は204件、携帯発電機の事故は21件発生しています。

カセットボンベ等の事故:火災や人的被害を伴うケースが多くなっています。

携帯発電機の事故:屋内使用による一酸化炭素(CO)中毒が多く、死亡事故となっている割合が高いのが特徴です。

事故の多くは、製品の経年劣化や誤った使い方によって発生しています。「備えたから万全」と油断せず、正しい使い方と製品の状態を確認することが重要です。

災害時に使う製品のチェックポイント

NITEは、いざという時に安全に製品を使うために、以下のポイントを確認するよう呼びかけています。

1. カセットボンベ等(カセットこんろ、ガストーチなど)

【経年劣化の確認】

カセットボンベのOリングやパッキンは時間と共に劣化し、ガス漏れの原因となることがあります。製造から長期間経過したボンベは、さびやガス漏れがないか確認し、古いものから使い切る「ローリングストック」を心がけましょう。

【正しい装着】
機器に確実に装着し、ガス漏れの異音や異臭がないか確認してください。異常があれば、直ちに使用を中止し換気を行ってください。

【過熱の防止】

カセットボンベ等の中には液化石油ガスが液体と気体に分かれて入っています。カセットボンベ等が過熱されてしまうと液化石油ガスが液体から気体になろうと膨張し、内圧が上昇して限界を超えると破裂します。2代以上並べて使ったり、炭起こしに使用するなど、異常に熱くなる行為はやめましょう。

保管時も注意が必要です。カセットボンベを熱源のそばに置いたり、意図的に温めたりする行為は、内圧上昇による破裂の危険があるため絶対にしないでください。

使用後は必ず機器から取り外し、室内の40℃未満の涼しい場所に保管してください。

2. 携帯発電機

【使用場所の厳守】

携帯発電機の排ガスには有害物質(一酸化炭素など)が含まれているため、屋内や換気の悪い場所(物置、倉庫、テント内、自動車内など)では絶対に使用しないでください。風通しがよく、排ガスが屋内に流れ込まないよう、風向きに注意しましょう。また、漏電や感電の危険があるため、雨天時には濡らさないよう注意が必要です。

これらの注意点を守り、安全に製品を使用することで、災害時も快適かつ安全に過ごせるよう備えましょう。お持ちの製品がリコール対象になっていないかどうかも、日頃から最新情報をチェックすることが推奨されます。

製品を正しく使用して事故を防ごう

製品安全センター(NITE)には、消費生活用製品安全法などの法律に基づき、一般消費者が購入する消費生活用製品(家庭用電気製品やガス・石油機器、身の回り品など)を対象に、毎年1千件以上の事故情報が寄せられているそう。

NITEでは、こうして収集した事故情報を公平かつ中立な立場で調査・分析して原因究明やリスク評価を行っています。

公式サイトには、様々な原因究明調査の結果が公表されていますので、事故の再発などを未然に防ぐのにぜひ役立ててくださいね!

■独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)公式サイト:https://www.nite.go.jp/

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