【世界のキャンプ10カ国+1】お国柄あふれるキャンプスタイルに驚きの連続! 欧州→アフリカ→中東→アジア→南米

公開日:2016 / 08 / 30
最終更新日:2021 / 09 / 30

地球の裏側の人たちも、キャンプを楽しんでいるのだろうか?? 日本のメダルラッシュに沸くリオ五輪を観戦しつつ、そんな疑問を持ったランタン編集部。政府観光局や大使館、現地メディアなどの協力を得て、10カ国のキャンプ事情を調査。キャンプは万国共通と言ってよいけれど、スタイルは実にさまざまなんですねぇ。

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ヨーロッパのキャンプ

【ノルウェー】大自然のどこ使ってもOKのダイナミックキャンプ!!

北欧には、「自然享受権」というものがあります。キャンプ場以外の選択肢が多いのです。

(ノルウェー王国大使館広報部)

北欧では、海岸、ビーチ、国有林、などパブリックな場所に、人に迷惑をかけず、自然にダメージを与えず、騒がないことを条件に、誰でも立ち入って遊べます。

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提供:Innovation Norway

フィヨルドでキャンプ。スケールの大きさを感じさせます。

整備されたキャンプ場も全国にあります。こんな風にキャンピングカーででかける人が多いようです。

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提供:Innovation Norway

ウッドデッキに、キャンピングカーとテントをつなげたサイト。快適そうです。

日本のキャンプを知るノルウェー人は、「日本のキャンプは道具が大変充実していて、食事もノルウェーに比べて本格的」と評価しているとか。ノルウェーのキャンプ飯は、ソーセージや釣った魚などを、使い捨てコンロで焼いて食べる程度の、簡易なBBQが多いそうです。

【フランス】キャンプ料理の準備は地元のマルシェで

フランスのキャンプは、キャンプ体験を楽しむという目的よりも、宿泊方式のひとつとして考えられています。

(フランス観光開発機構)

アウトドアの生活をつかの間楽しむというより、旅行する手段のひとつとして、割り切ってキャンプ場を選ぶ人が多いといいます。

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(C)Atout France_Michel Angot

キャンプ用具は宿泊者が持参し、指定されたエリア内に自らテントを張ります。エリアにはテントのみの区画、キャンピングカーごと入れる区画、キャビンが設置された区画などがあります。

料理は自分たちで火を起こして作る場合もあれば、食材を近隣のスーパー(キャンプ場内に簡単な食糧を売っている所もあり)で買い、簡単な調理で済ませる場合もあります。近くのレストランに行くこともよくあります。

(フランス観光開発機構)

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(c)Atout France_Michel Laurent

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(c)Atout France / Dandault-Kamitani

写真を見ても、おおむね日本のキャンプと似通っています。

ただ、食事については、地元の食材を楽しむマインドが高いようです。

フランスは土地により特色あるチーズやハムが入手できます。地元のマルシェで食材を買って、バゲットに挟んだだけのサンドイッチなどは良く食べられます。

(フランス観光開発機構)

【スペイン】太陽の国のカジュアルキャンプ

日本よりもキャンピングカーの割合は高いようです。ヨーロッパ諸国からの車が多い気がします。

気軽なキャンプとしては、トレイル入口まで自家用車で行き、しばらく歩き、湖畔にテントなしで各自寝袋での雑魚寝ということもあります。

(スペイン政府観光局)

スペイン政府観光局に尋ねたところ、「詳しいデータはなく、印象として・・・」という前提で、以上のように回答してくれました。

こちらは、スペインのメディアでランキング1位にもなったことがある施設のキャンプサイト。

しっかりとしたキャビンがあり、キャンプ場というより、カジュアルな巨大リゾート施設といったイメージ。

作る料理はBBQスタイルでチョリソや腸詰類を焼き、パンにはさんでボカディージョ(サンドイッチ)にして食べるようです。あとは、チーズや生ハムとワインなどで、日本より手軽な調理だったと思います。

(スペイン政府観光局)

ヨーロッパのキャンプでは、食事は簡単に済ませることが多いようです。

【ギリシャ】外国人に人気のエーゲ海キャンプ。日本人も利用

ギリシャ人は、あまりキャンプをしません。政府公認のキャンプ場が268あるものの、80%以上の利用者が外国人(特にドイツ人)でした。

(ギリシャ大使館)

ギリシャ人がキャンプをしないのは、多くが郊外にセカンドハウスを持っていることが、大きな理由のようです。

公認キャンプ場のほとんどはビーチ近くにあります。、ボート、カヤック、ウォータースポーツなどのアクティビティが盛んです。

ちなみに、2014年度(最新データ)には、152人の日本人が、ギリシャでキャンプをしました。

 

アフリカのキャンプ

【エジプト】道なき砂漠を行く! これぞ本当のアウトドア体験

日本のように、誰もが気軽にキャンプへ出かけるような感覚はありません。道のない所を進むので、それなりの装備が必要となります。4WDとガイドは必須です。

(エジプト大使館)

エジプトのキャンプといえば、砂漠で1~2泊するのが主流だといいます。観光客にも人気のサファリツアーで、エジプト人も利用します。

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提供:エジプト大使館

もはや冒険です・・・・・・。

装備はガイドが用意します。ちなみに、ラクダに乗って行くキャンプツアーもあるそうです。

砂漠に泊まりますから、水道などはありません。水も食材も、あらかじめ用意していきます。

料理だって、タープ張ってキッチンを整えて・・・とは行きません。

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提供:エジプト大使館

日本のキャンプ場がなんと恵まれていることか。

夜はテントに泊まります。

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提供:エジプト大使館

朝食に、アエーシ(中が空洞になった丸いパン)とチーズやジャム、サラダなどを食べます。

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提供:エジプト大使館

【エチオピア】友と語らうワイルドキャンプ

基本的にはテントはなく、マットレスだけ持参して出かけます。欧米式のキャンプは、まだまだ一般的ではありません。

(駐日エチオピア連邦民主共和国大使館)

コテージやバンガローに泊まるわけでなく、外で寝ます。首都アディスアベバの地方は、夏に乾季となるので、満天の夜空が、十分すてきな屋根になるのでしょう。とはいえ、エチオピアは高原ですから、夜は冷えるのではないかと心配してしまいます。

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エチオピア北部のシエミン山
写真提供:駐日エチオピア連邦民主共和国大使館

食事は、家から持参したものを食べるので、現地で料理はしません。ただ、コーヒーはその場でつくります。

エチオピア伝統の「コーヒーセレモニー」です。

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※コーヒーセレモニーの様子(キャンプ中ではありません)
写真提供:駐日エチオピア連邦民主共和国大使館

名産のコーヒーに加え、「チャット」と呼ばれる植物の嗜好品を楽しみ、友だちと歓談します(エチオピアのキャンプは、ファミリーより友だち同士の遊びだそう)。

中東のキャンプ

【イスラエル】中東ならではの大自然を味わう

イスラエルでは、わざわざ遠出をしなくても都市部からすぐに自然の中に出られます。車の中に道具を詰め込み、自然の中で週末を過ごすスタイルが多いです

(イスラエル大使館広報室)

道具はテント、寝袋やBBQセット、「テントの外でも大活躍する」というエアーベッドなど。ファミリーや友人同士、仲の良いファミリーが何組か集まってキャンプを楽しむとか。このあたりは日本と近いところかもしれません。

イスラエルの人たちは、こんなところでキャンプを楽しんでいます。

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紅海沿岸のリゾート地エイラット

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雄大なネゲブ砂漠。砂漠でのキャンプは天の川がきれいに見えます。

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有名な死海。
Photo by Alberto Peral

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ガレリア湖。湖畔にキャンプ場があります。
Photo by Itamar Grinberg

キャンプ料理は、ご当地ならではです。イスラエルはフルーツが豊富なので、アウトドアナイフでフルーツサラダを作って食べます。

また、「カフェ・シャホール」と呼ばれる泥コーヒーが人気です。小鍋でコーヒー粉と水、お好みで砂糖やスパイスを煮立て、上澄みだけを飲みます。

【ドバイ】ラグジュアリーな遊牧民アウトドア体験

ドバイはもともとベドウィンと海洋民族がルーツです。キャンプは非日常ではなく、日常的であったと言えます。

現在は街の進化に伴い、ベドウィンとして生活している人はごくわずかですが、週末に家族で砂漠へキャンプ、遊びに行くことが習慣となっています

(ドバイ政府観光局 日本事務所)

ベドウィンは何世紀にもわたって砂漠で生活してきたアラブの遊牧民です。こちらは、ベドウィンの暮らしを体験できる観光ツアーのキャンプ。

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(提供)プラチナムヘリテージ

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(提供)プラチナムヘリテージ

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(提供)プラチナムヘリテージ

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(提供)プラチナムヘリテージ

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(提供)プラチナムヘリテージ

きちんと整備されていて、雰囲気があって・・・・・・まるでテーマパークのようです。

現地でベドウィンとして暮らしている人と、触れ合ったりもできるようです。

アジアのキャンプ

【タイ王国】

タイの人は、日本のように夏ではなく、寒い季節にキャンプに出けることが多いようです。

(タイ国政府観光庁)

東京事務所の担当者が、「個人的な経験と意見」として答えてくれました。タイの夏は、気温も湿度も高く、外で過ごすのが大変、というのは確かでしょう。

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提供:タイ国政府観光庁(Tourism Authority of Thailand)

タイのキャンプでも、日本同様にテントやタープを張ってくつろぎます。

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提供:タイ国政府観光庁(Tourism Authority of Thailand)

みんなで輪になって、酒を飲んだり、ギターを弾きながら歌ったり。朝になったら朝日を見て、滝まで散策にでかけることも。

また、タイのキャンプは、「景色の良いところでくつろぐ」という目的が大きいようです。

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提供:タイ国政府観光庁(Tourism Authority of Thailand)

キャンプ場の設備が日本ほど整っていないためか、ファミリーよりも若者が友人同士で遊ぶ、というイメージだとか。

そうはいっても、タイにも「グランピング」が進出しています。

上の動画を見ると旅行者向けのようですが、夢のようなゴージャスキャンプができます。

【韓国】マネしたくなる韓流キャンプ飯

最近では、グランピングやキャンピングカー、キャンプ道具がなくても楽に遊べるスタイルが人気です。

(韓国観光公社 東京支社)

さらに、キャンプ風レストランも登場しているとか。さすがお隣の国、日本と流行は似ているようです。

こちらは、韓国のキャンプ情報サイト「Go Camping」から入手したキャンプの写真。

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提供:Go Camping

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提供:Go Camping

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提供:韓国観光公社

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提供:韓国観光公社

日本と同じスタイルといってよさそうです。なんだか見慣れたロゴも見えますよね。

そして、ぜひマネしたいのがキャンプ料理!

インスタントラーメンや、釣った魚を入れて作るチゲ(鍋)料理をよくつくります

韓国観光公社

ビールが進みそうです!

Go Camping の料理コーナーでも、韓流キャンプ料理のレシピが紹介されています。

南米のキャンプ

【ブラジル】南の国のアイデアキャンプ

約3000のキャンプ場がブラジル全域にわたって点在します。ほとんどが、海沿いや国立公園のそばに位置しています。

(ブラジル大使館・報道部)

リオデジャネイロ五輪に湧いたブラジル。現地の人は、テントを用いたオーソドックスなキャンプスタイルを好みます。キャンピングカーも人気です。

それ以上の詳しい情報は得られませんでしたが、教えてくれたのが「MaCamp」というブラジルのアウトドア情報サイト。

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話題性の高いニュースは押さえているし、ディテールに目を付けたお役立ち記事も。

「ブラジルのランタン」と言ったったところでしょうか??

自動車に取り付けるキャビンの新商品を紹介。

ペグを抜くのに手が汚れないでしょ、という渋いアイデアです。

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