2019年のブランドローンチからわずか4年で、瞬く間に人気アウトドアブランドの仲間入りを果たしたSABBATICAL(サバティカル)。他にはない独創的なデザインながら低価格で、機能性、品質にも優れているサバティカルのギアは多くのキャンパーの注目を集めていて、キャンプ場で実際に見かけた際に羨望の眼差しを向けたという人も少なくないでしょう。
サバティカルは、40年以上に渡って世界中の優れたアウトドアギアを日本へ輸入・販売している株式会社エイアンドエフ(以下 A&F)のプライベートブランドとして生まれました。日本のアウトドア業界を牽引してきたこれまでの経験を活かしつつ、新たなステップとしてA&Fの世界観を表現していくオリジナルブランド、それがサバティカルです。
LANTERNは、A&Fでサバティカルを担当する吉野雄大さんに独占インタビューを実施。“これまで”のサバティカルのこと、そして“これから”のサバティカルについて、話を聞きました。
サバティカルとは「本来の自分に戻る」ということ
——まず、サバティカルというブランド名の由来から教えてください。
サバティカル ブランド担当 吉野雄大さん(以下 吉野さん):サバティカル(SABBATICAL)は、“長期の有給休暇”、あるいは“研究者が制約なしに活動範囲を広げるための自由時間”という意味の言葉です。
つまり、本来の自分に戻る、あるいは自分の向上心に従ってルーチンワークから離れる、というニュアンスです。A&F代表取締役社長の赤津大介が命名しました。
——サバティカルはローンチからあっという間に大人気アウトドアブランドになりましたが、どのような経緯で立ち上げることになったのですか?
吉野さん:サバティカルは、2019年8月に始動しました。直営店A&Fカントリーのオリジナルブランドです。
A&Fは40年間、北米ブランドを中心に様々なアウトドアブランドを日本のマーケットに紹介してきましたが、創業41年目にして初めてのオリジナル大型ギアプロジェクトが、サバティカルになります。
これまでの日本のマーケットに合う良いものをセレクトし、取り扱ってきた経験や見識を活かして、“輸入した物を売る”ということからの次のステップ。“自分たちの世界観を表現できるもの”として、オリジナルブランド「サバティカル」をスタートしました。
「目指しているのは、日本のザ・スタンダード」
——サバティカルは、どのようなブランドを目指しているのですか?吉野さん:目指しているのは、日本のアウトドアシーンでの「ザ・スタンダード」ですね。ハイエンドな物を作ろうと考えているのではなく、誰もが平均的に良いと思ってもらえるような商品を適正価格で作り、アウトドアマーケットのすそ野を広げるということが目的です。
ただ道具を売るということではなく、サバティカルをきっかけにA&Fカントリーを知って頂けるきっかけになればいいなと思っていますし、キャンプを楽しむだけでなく、キャンプとともにアウトドアアクティビティにも興味を持って頂きたいと思っております。
——立ち上げから4年が経ちましたが、これまでの手ごたえは?
吉野さん:正直、私たちの想像を大きく超えるものでした。今では、サバティカルのファンになって、たくさんのプロダクトをご愛用頂いているユーザー様もいらっしゃいます。
非常にありがたく思ってますし、これからも期待に応えられるようなプロダクトをリリースできるようにと、日々考えています。
「常にアウトドアの愛好家、ユーザーであり続ける」
——サバティカルがブランドとして大切にしていることを教えてください。
吉野さん:「オリジナル」「高品質」「適正価格」。この3つを特に大切にしています。
オリジナルとは、世の中にある物をそのまま真似て作るのではなく、現存するプロダクトを少しでも進化・変化させ、アウトドアライフを快適にしたり、豊かにする製品を開発するということです。
高品質は、「神は細部に宿る」の精神で、ディティールにこだわり、品質の向上につとめる。お客様が安心して使えるプロダクトを製造するということ。そして「適正価格」は、製造・製法のアプローチによるコストダウンを常に意識し、商流をスリム化し、多くのお客様が手に取れる価格帯を追求するということです。
常に私たちがアウトドアの愛好家、ユーザーであり続けて、ユーザーが求めるもの、自分たちが欲しいものを意識したモノづくりが大切だと考えています。
——吉野さんは、普段はどのようなアウトドアを楽しんでいるのですか?
吉野さん:4歳と6歳の子どもがいるので、キャンプもそうでし、川遊び、海でシュノーケルをしたり、カニをとったり釣りをしたり…。SUPやトレッキング、MTBに乗ったり、スキーもします。
季節に応じた、家族で楽しめるアウトドアライフを過ごしていますね。
サバティカルの製品開発、人気のギアは?
——サバティカルの製品開発は、どのように進めているのですか?
吉野さん:必要なものがなにかを話し合ってから進めることもありますし、(プロダクトデザイナーの)小杉さん(注)と相談しながら進めるケースや、小杉さんから提案を頂く場合もありますので、ケースバイケースです。
小杉さんとは撮影に一緒に行ったり、テストを一緒にしたりします。話をしていく中で、小杉さんが考えていることだったり、私たちが考えていることだったりを色々話し合っていく中で、開発を進めていく形ですね。
注:小杉敬さん。サバティカルのプロダクトデザイナーであり、ZANEARTS(ゼインアーツ)の代表取締役、キャンプギアクリエイター。
——サバティカルのテント、シェルターでは、どの製品が人気ですか?
吉野さん:一番人気はアルニカ(ARNICA)ですね。その次がモーニンググローリー(MORNING GLORY)です。
吉野さん:フラッグシップモデルのスカイパイロット(SKYPILOT)が一番のお気に入りです。アレンジもできますし、室内空間がものすごく広いので、ファミリーでの2ルーム使用、グループでのシェルター使用と活躍しています。
ギリア(GILIA)も大きすぎずのサイズ感で、取り回しがしやすく様々な使い方ができますので、お気に入りでオススメのテントです。
「自然とプロダクトが調和した時の高揚感はたまらない」
——ブランドサイトに掲載されている画像は、サバティカルの世界観を見事に表していますが、撮影には吉野さんも同行しているのですか?
吉野さん:はい、撮影には3名のA&Fのサバティカルチームと、カメラマンの計4名で行っています。年に1、2回、だいたい1週間の撮影トリップに出て撮影しています。
吉野さん:そうですね。撮影は日の出と夕方がカギになります。体力的に大変な部分だったり、天候に苦労させられる部分があったりします。でも、新しい場所に行くのはワクワクしますし、良いロケーション、タイミングに出会って、自然とプロダクトが調和した時の高揚感はたまらないです。
それに待ち時間も結構あるので、今後のプロダクトのことを話したりして、良いコミュニケーションの場にもなっています。
自然は雄大です。ユーザーの皆様にも是非、サバティカルの製品とともに旅に出て欲しいです。
サバティカルの最新作「サバルパインドーム」について
——サバティカルの新作テント「サバルパインドーム」の発売が開始されましたが、初めて完成品を見た時にはどのような印象を持ちましたか?吉野さん:『強そう!』ですね笑。フレームにこだわって開発したテントなのですが、実際にフレームワークが成功して、押しても全然撓(たわ)まないフレーム構造に仕上がった時には、全員で声を出して驚いたのが印象に残っています。
——フレームと言えば、曲線のキレイさといった形状とともに、素材にもこだわったそうですね。
吉野さん:そうですね。サバルパインはフレームの素材に6000番台を採用しています。その上のクラス、7000番台等を採用することももちろんできるのですが、そうすると販売価格が大幅に高くなり、フレームの本数も多くなり、設営が大変になってしまう。
サバルパインは、設営のしやすさにこだわって開発したテントで、先ほどお話ししたようにサバティカルは「適正価格」で販売するということを大切にしています。デザイン性と機能性、高品質に適正価格という点からフレームも含めた素材の選択は大切なポイントなんです。
↓ サバルパインドームの詳細はこちら ↓
サバティカルの新作テント「サバルパインドーム」がついに発売開始! その魅力と設営のコツをブランド担当がお教えします
——サバルパインドームの発売と同時期に、スリーピングマットも発売開始になりました。
吉野さん:サバティカルではこれまで、テント、シェルター、スリーピングバッグとリリースしてきました。次に必要なものとして、快適に眠るためのスリーピングマットは必須でしたので、開発しました。
吉野さん:フォームにこだわり、寝心地を追求して開発したスリーピングマットです。寝心地の良さを是非実際にお試し頂きたいです。
「キャンプライフを豊かにできるようなプロダクトを」
——新作のテントが発売されたばかりですが、次はどのような幕体のリリースを考えているのですか?
吉野さん:新しいモデルについては、非常に悩ましいというのが正直なところで、検討中です。近いところでは、テントの機能を拡充するアクセサリーの開発を検討しています。
——テント、シェルター、スリーピングバッグ、スリーピングマットと、製品ラインアップが増えてきました。次はどのような製品の開発を考えているのですか?
吉野さん:テントに関連するプロダクトはもちろん、他のギアも構想はたくさんあります。ただ、実際に開発に乗り出すかどうかは、様々なバランスを考慮して判断していくことになります。
キャンプライフを豊かにできるようなプロダクトを、少しずつ拡充していければと考えています。
サバティカル製品の抽選販売は、今後も続く?
——サバティカルと言えば、人気で抽選販売という時期が続いていました。今後もその状況は続くのでしょうか?
吉野さん:今はもう、生産は安定しています。定期的な入荷の予定がありますので、徐々に落ち着いて購入頂ける状況になってきているかと思います。
(発売開始から2時間ほどで売り切れた)サバルパインドームも、年内に複数の入荷予定がありますので、落ち着いて(次回入荷を)お待ちいただければと思います。
サバティカル製品の購入に関してお悩みになられているなどございましたら、お近くのA&Fカントリー店舗にご来店頂き、お気軽にスタッフにご相談ください。
——製品の入荷情報は、店舗以外ではサバティカルのブランドサイトでの入手がオススメですか?
吉野さん:そうですね。新製品の発売日や再入荷情報等はサバティカルのブランドサイトでも発信しています。また、A&FのSNSでもお知らせしています。
お知らせを見逃したくないという方は、プッシュ通知が届くA&Fのスマートフォン用のアプリをダウンロードしご利用いただくと、見逃すことがなく良いかもしれません。
——サバティカルの製品は、今後も直営店(A&Fカントリー)とオンラインショップのみでの販売になりますか?
吉野さん:はい、サバティカルはA&Fカントリーのプライベートブランドですので、販売先については今後も変わりません。
また、商流をスリム化し、多くのお客様が手に取れる価格帯を追求するということから、直販のみの展開にさせていただいております。
「サバティカルをきっかけに、アウトドアアクティビティを」
——今後、サバティカルのユーザーと直接触れ合うファンイベントの開催等は考えていますか?
吉野さん:そうですね。直接お客様から様々なご意見をお伺いできる機会はとても貴重ですので、是非前向きに開催を検討したいと思います。
——これまでユーザーからの声で印象深かった意見やうれしかった意見には、どういったものがありますか?
吉野さん:これはもう、“サバティカルの製品をきっかけに、アウトドアを始めたい”と仰ってくれたお客様がいらっしゃったことですね。
ブランドとして、サバティカルをきっかけにキャンプライフとともに、MTB、SUP、トレラン、登山、トレッキング、釣り、狩猟等。アウトドアアクティビティも楽しんでいただきたいと思っておりますので。
——最後に読者の方にメッセージをお願いします。
吉野さん:サバティカルを通して、是非A&Fカントリーの世界観や他の取り扱いブランドもご覧いただけましたら幸いです。
「世界は広大で人生は有限。遊んで、知って、楽しみ尽くしましょう」
サバティカルのブランドサイトに掲載されているブランドストーリーは、こんな言葉で結ばれています。“サバティカルとの出会いをきっかけに、キャンプを始める方も、あるいは、アウトドア経験豊富な方もまた、ただキャンプを楽しむだけでなく、アウトドアアクティビティにも興味を持っていただければと考えます。
登山、トレッキング、トレイルランニング、MTB、SUP、スキー&スノーボーディング、釣り、狩猟…。世界は広大で人生は有限。遊んで、知って、楽しみ尽くしましょう。
「地球の道具」をテーマに、オリジナリティに溢れ、細部にまでこだわった高品質で機能性を備えたプロダクトを、適正価格で世に届ける。そんなサバティカルのプロダクトを相棒に、アウトドアで遊び楽しんでみると、本来の自分を知るきっかけになるかもしれません。
長く海外のアウトドアブランドを日本に持ち込んできたA&Fが、次のステップとして立ち上げたオリジナルブランド「サバティカル」。これからも目を離すことができない日本のアウトドアブランドであることは間違いなさそうです。
サバティカル ブランドサイト
制作協力:株式会社エイアンドエフ