【体験レポ:スノーピーク編】設営のコツはタープのように?“スノピ史上最大”サイズ「グランベルク」をレビュー

公開日:2022 / 11 / 26
最終更新日:2024 / 01 / 19

スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー

本企画は、各メーカーから最新モデルや人気のテントをレンタルし、カタログやWEBで見ただけでは分からない、実際に設営したからこそ感じるその製品の魅力や違い、設営のワンポイント等をお伝えする体験企画です。

今回、編集部が体験したのは、スノーピーク(Snow Peak)史上最大クラスのロッジ型シェルター「グランベルク」です。

グランベルクの発売開始は、2021年5月。LとMの2サイズ展開で、対応人数はLが5~7名、Mが3~5名と、ファミリーだけでなくグループキャンプにも対応できる大型のシェルターであり、贅沢なリビングルームを持てるテントでもあります。

そんなグランベルクのLサイズを編集部が設営してみました。編集部体験による設営レビューとともに、スノーピークの広報を担当している木下雄斗さんに聞いた設営・撤収のワンポイントにグランベルクのオススメポイントをご紹介します。


「ゆったりと自然を楽しむ、豊かに過ごす」をコンセプトに開発された、スノーピーク史上最大の贅沢なロッジ型シェルターです。

前後パネルやサイドウォールを巻き上げれば、オープンタープのような開放感のあるリビングスペースを作ることができます。

生地にはコットンの質感のようなテカリのない風合いと質感を持つポリエステル生地を新たに採用しています。

スノーピーク 木下さん(以下同)

まずはグランベルク MとLのサイズの違い等を商品データでチェック

まずは、グランベルク MとLの価格や対応人数、設営時サイズ、収納時のキャリーバッグサイズ、重量を基本的な商品データでチェックします。

グランベルクMとLの商品データ

グランベルク M グランベルク L
価格 ¥211,200(税込) ¥266,200(税込)
対応人数 3~5名 5~7名
サイズ (約)440×680×240cm (約)520×860×240cm
キャリーバッグサイズ (約)82×31×34cm (約)88×31×35cm
インナールームサイズ (約)360×200×210cm (約)440×250×210cm
インナールーム
キャリーバッグサイズ
(約)77×21×24cm (約)77×21×24cm
重量 約24kg 約29.5kg

対応人数はすでにお伝えした通り、Mが3~5名、Lが5~7名となっています。価格差は55,000円で、高さはMとLに違いはないものの、幅が80cm、奥行で180cmほどLの方が大きい仕様です。

インナールームも高さは両サイズともに同じで、幅80cm、奥行50cmの違いがあります。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
上画像は、グランベルク Lのインナールームに封筒型のスリーピングバッグ(約150×190cm)を5つ並べた様子です。

ゆったり並べていますのでスリーピングバッグ×5でいっぱいに感じられるかもしれませんが、各スリーピングバッグの幅を狭めれば7名まで十分に対応できるサイズです。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
Lの場合、30kg近い重量があります。スノーピーク史上最大クラスのサイズですので、重量があるのは当然かもしれませんが、女性や子どもが運搬するとなると大変です。
※上画像はグランベルク L本体のみ。インナールームは別にキャリーバッグがあります。

また、車への積載や自宅での保管時等も場所をとることになるため、購入を検討されている方は、その点も考慮する必要があります。

グランベルクの付属品

スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
続いてはグランベルクのセット内容。MとLでセット内容に違いはなく、

  • 本体
  • インナールーム
  • グランドシート
  • メインポール(×3)
  • サブポール(×6)
  • ジュラルミンペグ(21cm×10)
  • 自在付ロープ(二又用10m×2、 2.5m×6)
  • ループベルト
  • シームグリップ剤
  • キャリーバッグ
  • インナールームケース
  • ポールケース
  • グランドシートケース
  • ペグケース

と、なっています。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー

注意点
グランベルクには、ロープ用に使用するペグとハンマーが含まれていません。スノーピークは、設営には別売りのペグ10本が必要としているので、設営時に忘れないよう注意してください。

なお、ペグの推奨サイズは、打ち込み長さ25cm以上のペグが6本、打ち込み長さ35cm以上のペグが4本となっています。

グランベルクには、メインポールとサブポールの2種類のポールがあります。サイズの大きいシェルター・テントであるグランベルクですが、設営はタープをたてるイメージで進めていくと設営しやすくなるのではないでしょうか。

タープをたてるように設営する点については、後述の設営レビューで紹介します。

グランベルク Lをランドロックのサイズと比べると?

グランベルク L ランドロック
対応人数 5~7名 6名
サイズ (約)520×860×240cm (約)625×405×205cm
キャリーバッグサイズ (約)88×31×35cm (約)75×33×36cm
重量 約29.5kg 約22kg

なお、スノーピークの大人気テントである「ランドロック」と、グランベルク Lのサイズを比較すると上記のような違いがあります。幅はランドロックの方が大きいものの、奥行はグランベルクの方が倍以上長い。重量はランドホックが、グランベルク Mよりも軽いです。

どちらも状況にあわせて様々なスタイルが可能なテント・シェルターですので、幕内のレイアウトを含めた自在さは大きな魅力となっています。

たててみなければ分からない。早速設営してみよう

ここからは、グランベルク Lの設営レビューです。今回はレンタルしたLを設営しましたが、Mも設営方法に違いはありません。

スノーピークの公式HPからダウンロードできる取扱説明書に記載されている手順に従い、設営していきます。

たて方のコツは、タープをたてる時のイメージで

初めての設営の前には取扱説明書をしっかり確認しておくことが大切ですが、グランベルクはスノーピーク史上最大クラスのシェルターですので、実際にキャンプ場で広げてみないとそのサイズはイメージしずらい部分もあるかもしれません。

設営する平らな場所に本体を広げ、そのスケールを確認しましょう。

1.本体を広げる

設営のポイント
本体を広げる向きですが、グランベルクには、出入口パネルが前後2カ所にあります。この出入口パネルが風下を向くように本体を広げましょう。

風上に向けると、風や雨が侵入しやすくなるため設営が少し大変になり、突風等で出入口から風が入って、本体が飛ばされる可能性があります。

2.メインポールを組み立て、本体に差し込む

スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
メインポールは、本体前後の頂点にあるグロメットに先端を差し込みます。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー

出典:グランベルク取扱説明書

設営のポイント
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
グランベルクのメインポールには中用(画像左)と外側の出入口用の2種類があります。

中用のメインポールは、メインポール(中)と表記します。

3.メインポール先端に二又用ロープを掛ける

スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
グロメットに差し込んだメインポールに、二又用ロープを掛けていきます。ロープの取り付け方法は、グランベルクの取扱説明書のイラストが分かりやすいです。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー

出典:グランベルク取扱説明書

4.二又用ロープを伸ばし、ペグダウン

スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
そして二又用ロープを外側に約90°開いた方向へ約3.5mずつ伸ばし、ロープの返し部分をペグダウンします。ペグダウンするペグは、打ち込み長さ35cm以上のものが推奨となります。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー

出典:グランベルク取扱説明書

5.ポールを1本ずつ立ち上げる

スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
続いて、メインポールを1本ずつ立ち上げていきます。タープをたてるようなイメージだと設営しやすいと先にお伝えしたのは、グランベルクにはフレームがあるわけでなく、ポールにテンションをかけて本体を自立させるためです。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
ポールを2本立ち上げた後は、二又用ロープの自在の位置を調整し、テンションをかけます。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
その後、もう1本のメインポール(中)を持ち本体の中に入って、中央のグロメットに差し込みます。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー

出典:グランベルク取扱説明書

メインポール(中)にはプッシュピンがついていますので、ピンを押しながらグロメットにしっかり差し込みます。

6.サブポールと本体を固定

スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
6本あるサブポールの下端を計6カ所に差し込み、先端もルーフコーナーにあるグロメットに差し込みます。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
サブポールと本体は、本体にあるベルクロテープを巻いて固定します。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
そして、ペグダウンし自在付ロープでテンションをかけます。ペグの推奨サイズは、打ち込み長さ25cm以上となっています。

7.ジュラルミンペグで本体下部を固定

スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー

出典:グランベルク取扱説明書

本体下部の各コーナーを、付属のジュラルミンペグで固定します。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
サイドウォールが傾斜するように、サブポールの下端は足の長さ分(約27cm)ほど内側に入れてペグダウンします。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー

出典:グランベルク取扱説明書

ペグダウン後は、上画像のような順番でテンションをかけていきます。

8.グランドシートの取り付け


本体の設営を終えたら、グランドシートを取り付けます。グランドシートは台形で、辺の長い方が内側、短い辺が出入口側です。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
テカリのある面(PUコーティング面)を上に敷いて、各コーナーのゴムループを伸ばしてペグに引っ掛けます(4カ所)。

9.インナールームの取り付け

スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
続いてインナールームの取り付けです。インナールームをグランドシートの上に広げますが、向きはスノーピークのロゴがある方がシェルター内側になります。グランドシートの辺の長い方です。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
そしてインナールームと本体の天井部をバックルでつなぎます。本体は高さが240cmありますので、ポールを少し傾けてつなぎました。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
続いてルーフコーナーとボトムコーナーも本体とつなぎます。赤と黒の2種類のベルトがありますので、それぞれ色に合わせてフックをリングにかけます。後はベルトの長さを調整すれば完成です。

インナールームを張りすぎると、本体の形が崩れてしまうかもしれませんので、注意してください。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー


基本的な設営手順はタープの設営と変わらないので、タープを設営したことのある方でしたらスムーズに設営ができると思います。

撤収時の注意点

グランベルクの撤収は、基本的には設営と逆の手順で進めていけば問題ありません。

なお、グランベルクの取扱説明書には、“必ず2人以上で撤収してください。”と記載されています。編集部が実際に設営・撤収し感じたことは、この文言の通りだということです。

撮影当日は風が強かったこともあり、撤収時に下画像のように風をもろに受けてしまう場面がありました。
スノーピーク「グランベルク L」設営レビュー
設営・撤収は男性スタッフ2人で行いましたが、強い風に煽られたグランベルクの重量は相当なものでした。どれだけサイトのスペースに恵まれているキャンプ場だとしても、風で本体が飛ばされたりして破損や思わぬ事故につながる可能性も否定できません。

安全に長く使い続けるために、設営も撤収も2人以上で行うことをオススメします。

次のページは、「グランベルクの魅力」をご紹介。続きはこちらで。

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