コロナ禍の後押しでアウトドアを楽しむ人が増え、キャンプが定番レジャーになりつつあります。キャンプで作るアウトドア料理といえばバーベキュー。
定番ですが、調理方法がシンプルなため、食材の良さをダイレクトに感じられる点が魅力。みんなで手分けをしながら作ることで、自然と会話が生まれて交流の場にもなります。
そんなバーベキューの特徴を活かして、地域の活性化や人々の交流を生み出すというユニークなツアーが2024年1月に静岡県函南町(かんなみちょう)で開催されました。
旅を介して、地域の活性化や人々の交流に貢献する
ツアーを企画した「ニッチャートラベル」は、「ナビタイムジャパン」と「阪急交通社」の共同プロジェクトで、“旅を介して地域の活性化や人々の交流に貢献する”をコンセプトに、従来のパッケージツアーでは体験できない地域活性化ツアーを各地で実施しています。
これまでに実施されているツアーは、人気DJと渋谷のレコード店を発掘するものや落語家と上方落語の舞台となった京都の町で噺にゆかりのある場所を旅するものなど、ニッチで特別な体験ができるツアーばかり。
そして今回のツアーの舞台は、静岡県函南町。伊豆半島の付け根に位置する人口約36,000人の町で、「十国峠(じゅっこくとうげ)」などの景勝地や酪農業が盛んな地域です。
このツアーが企画されたきっかけは、ニッチャートラベルのメンバーが函南町の方に「ここにはなんにも無い」と言われたこと。
実際に行くと、十国峠から見える圧巻の景色と「丹那牛乳」で知られる乳製品やブランド牛の「箱根西麓牛」など豊富な食材がありました。
「この絶景の下で地元食材を味わえたら、きっと函南町の良さが多くの人に伝わるはず。景色を楽しみながら盛り上がるコンテンツと言えば・・・バーベキューだ!」と思い、このツアーが実現したそうです。
今回のツアーの目玉は、人気バーベキュー芸人と一緒に旅をすること。そして旅の間にバーベキューのテクニックをレクチャーしてもらうというなんとも特殊なツアーです。
その目玉の人気バーベキュー芸人と言えばテレビやメディアでお馴染み日本で唯一のバーベキュー芸人「たけだバーベキュー」さん。カナダアルバート州のバーベキュー大使も務めたことがある自称ではなく本物のバーベキュースペシャリストが参加者をエスコートします。
初めにたけだバーベキューさんから現地食材を使ったバーベキューのレクチャーを受けたのち、十国峠の山頂に移動し、グランピング施設で参加者自らがバーベキューにチャレンジするというものです。
函南町の食材を使ったオリジナルバーベキューレシピをたけだバーベキューさんが考案し、食材の魅力とバーベキューの魅力、そして函南町の魅力を120%引き出すとっておきのツアーなんだとか。もうワクワクが止まりません!早速行ってみましょう!
バーベキューワークショップで地元食材を楽しむコツをレクチャー
参加者は、たけだバーベキューさんのファンの方や最近キャンプをはじめた方、子ども連れの家族など合計5組11人。幅広い層の皆さんが集まりました。
講師のサポート役として、吉本興業所属の芸人「貫太郎」さんも参加。二人の軽妙なトークでワークショップがスタート。
参加者のボケ?にお揃いで突っ込み会場は爆笑に。期待が高まります!
メニューは全部で7品。前菜からデザートまでのフルコースを1時間で作り上げるというもの。
そしてこれらの食材をただ焼くだけではないフルコースのバーベキューとはどんなものなのか?さらに期待が高まります!!
<今回のメニュー>
- お魚の刺身と函南産イチゴを使ったカルパッチョ
- 地元野菜の丸ごとグリル
- 三島の牛(箱根西麓牛)のステーキ
- 牧場ソーセージグリル&野菜たっぷりサルサソース
- 海老のアヒージョ
- パエリア風炊き込みご飯
- 丸ごと焼きバナナ&スモア
1時間で作るには、調理の手順がポイント。野菜は切らずに丸ごと焼くといった食材の美味しさを最大限に引き出すコツも教えてもらい、聞き漏らさないようにメモを取ったり、写真を撮ったりと熱心に耳を傾ける参加者たち。
テンポよく調理が進んでいきますが、途中で参加者がたけだバーベキューさんを手助けするシーンも。
「ありがとう!パン焦げそうで危なかったわ。そのまま見ててくれへん?」とたけだバーベキューさんからのお願いで、途中から参加者もバーベキューに参戦。初めて出会った人でも、芸能人でも、自然に仲良くなれてしまうのがバーベキューの魅力ですね。
あっという間に7品が完成! これがバーベキューかと目を疑うほどに彩り豊かな料理が出来上がりました。
これには参加者も拍手喝采。
鯛の刺身と函南産イチゴを使ったカルパッチョ。いちごの酸味と鯛の甘みが絶妙にマッチ。
パエリアは野菜の甘みや新鮮な魚介類から味がしっかり出ていて、見栄えも華やか。
メインの箱根西麓牛のステーキは脂がしつこくなく、ほどけるような柔らかさ。
撮影タイム。
モグモグタイム。
このクオリティが出せるのも良い食材があってこそ。
この場所ならではのバーベキューの完成です!
次は参加者自身がたけだバーベキューさんに教わったテクニックを駆使してバーベキューにチャレンジです。果たして上手く作れるのか?
十国峠の絶景でバーベキューにチャレンジ!
十国峠の山頂へは、ケーブルカーに乗って移動。
期待に胸を膨らませながら外へ出ると、壮大な富士山がお目見え。そして遮るものが一切ない360℃パノラマの視界に、山のふもとから平野、海岸線の向こうの海が飛び込んできます。
十国峠は、旧国の伊豆、相模、駿河など十の国が見えたことからついた地名だそう。これほどまでに見通しがよく、さまざまな方面を眺められるスポットは日本で唯一だとか。
夕方になると、夕日が空に反射して空が一面燃えているような景色を見ることができました。
この贅沢な景色が見られる十国峠のグランピング施設「THE GLAMPING 箱根十国峠 スカイデッキヴィラ」でいよいよバーベキューにチャレンジ。
先ほどのメモや記憶を頼りに各自で取組みます。でも、途中で分からなくなっても安心。たけだバーベキューさんや貫太郎さんが各部屋を回り、アドバイスをサポートをしています。なんという手厚さ。
作りながらさっそくパクリ。「野菜が甘い!しかもジューシー!」
「そうそう、ここはね・・」と、手助けが必要であればサッと手伝ってくれたり、遊びたい盛りの子どもとはゲームをしたり焚き火をしたりと、親戚のお兄さんたちのよう。
参加者からは「ノウハウを惜しみなくレクチャーしてくださるので、初心者でもバーベキューのスキルが身に付きますね」「気さくに話してくれるので、とても楽しいです!」とみなさん満面の笑み。そして7品のフルコースも無事に完成しました。
丸っと1日、人気芸人さんと一緒に入れて参加者はみんな大喜び。
こうして特別な夜はいつもよりゆっくりと更けていきました。
函南町の食材をお土産に熱海駅に帰着
翌日は、地元の産直市場へ。自宅に帰っても函南町の食を楽しめるように「道の駅 伊豆ゲートウェイ函南」や「食のテーマパーク 伊豆・村の駅」に立ち寄り、昨日の食材やバーベキューの話をしながらそれぞれが手に取るお土産品。
みかんの詰め放題!これは欲深さがでますね。
蛇口から飲むヨーグルトが。。。
いろいろとツッコミどころのある「THIS 伊豆 しいたけキャッチャー」。
他にはない価値を地域と共に創り出す
たけだバーベキューさんが「1月の寒い時期が甘くて美味しい」と教えてくれたからとイチゴを購入した参加者。
それぞれが地域の食材やモノに目を向けて楽しそうにする姿に、このツアーの主旨をなんとなく理解できた気がしました。
特別な時間が人々の心に深く残り、浅い繋がりではなく深い繋がりを作っていく。
昨日まで全く知らなかった町を好きになる。
ここで出来た思い出を誰かに話したくなる。
知らない世界を見てみたい。
ちょっと知っているけどもっと知りたい。
あなたもニッチャートラベルで新しい扉を開いてみませんか?