緊急事態宣言下でのキャンプへ一つの提言

公開日:2021 / 04 / 26

アウトドアライター SAM

新型コロナウィルス感染症の変異株の拡大を抑えるため、関西、東京首都圏などに再度緊急事態宣言が出されました。

特に集中的な強化期間となるのがゴールデンウィーク。

飲食店のみならず、百貨店、テーマパーク、さらには遊興施設に対する休業要請も為されています。

そのような中、現在も空前のブームが続くキャンプはどうしていくべきなのか、大変に難しい問題であると考えます。

行くべきか行かざるべきか、行くのであればどうする、それに一つの提言を掲げたいと思います。

今度の緊急事態宣言が持つ意味は?


緊急事態宣言の発出はこれで3度目。まん延防止策との違いが分かりにくかったり、緊急事態宣言自体になれてしまったり、以前のような緊迫感を持てるかどうかも難しいかもしれません。

しかし、そこはもう一度その意味と意義をしっかり見つめて行動をしていかなければなりません。

過去の2回と異なるのは「変異株」への対応。

つまり今までと同じ対応ではなく、この特性に合致した行動変容が重要です。特に言われている感染対象の年齢層が広く、子供も含めた若年層にまで感染機会が強まったといわれる点にはしっかりと留意と対策が必要でしょう。

このGW、キャンプを計画している人は相当数に上り、そもそもGWの予約は当の昔に終わっていて、どこに問い合わせてもすでに空きがみつからない状況でした。

かくいう私もかなり以前に予約を行っていました。同時に状況が悪くなっていってしまったらどうすべきだろうか、それもずっと考えていました。

そして「まん防」が出た時点で為した決断は、「キャンセル」でした。

なぜキャンセルをしたのか


キャンセルに至るまでに考えたのは次の2点。

①今、どうしても行かなければいけないのか?
②キャンプだけを特別視できない

①でいうといわゆる不要不急の外出かどうかの観点です。

これは昨年こちらにも記事に書かせていただいたとおり、不要不急の外出が示しているのは「人混み」=「人流」を形成しやすい外出を控えてほしいということなので、電車に乗るわけでもなく、目的地で基本人混みを形成しにくいキャンプの特質はそれには当たらないと今もその考えに変わりありません。

しかしもう一方、昨年とは大きく変わった心境があります。

それは、感染防止の努力=外出を控える努力を出来る限り周囲と「共有」しようという思いです。

もちろんこのことは全てに人に当てはまる話ではなく、まん防、緊急事態宣言の該当地域かどうかにでも差があります。

繰り返しになりますが、合理的にみればキャンプは野外という密になりにくい空間を享受できるし、どこにも立ち寄ることもなくクルマで移動することは他の個との接触機会もないかなり安全なレジャーです。

しかし同時に、どこかで「キャンプなのだから」いいだろう、自身がそうなってしまうことも恐れたのです。

以前だったらもしかしたら「別にいいんじゃないの、行っても」きっとそう思ったかもしれません。キャンプに熱かった時代は。

現在はむしろ冷静に「今じゃなきゃいけない理由はあるのだろうか」そう思えるようになり、それこそ台風や荒天の時と全く同じで、緊急事態宣言が出されたというのはある意味「災害時」であり、そんなフラットではない状況でキャンプをすることにはやはり違和感を感じるようになりました。

とはいえ、こういう時なのだからストレスを貯めないために屋内を出てキャンプに行くべきじゃないか、そういう意見もあるでしょう。

私の今回の決断を正当化するつもりはありません。

よく、よく考えて、そして下した、あくまでも一個人の判断です。

【考察】キャンプは「不要不急の外出」に当たるのか?~新型コロナウイルス感染症拡大の中で

キャンプをするなら、発信を少し抑えてみては


緊急事態宣言が発出され、より強力な措置が取られています。

私は先ほど申し上げたように、自分がキャンセルをしたからといって、キャンプに行かれる選択した方を非難するつもりなど毛頭ありません。

行かれる方がそれぞれの感染対策を最大で講じ、またキャンプ場が掲げるガイドラインをしっかりと遵守されるのであれば。そして、今回はいかない方がいいと判断をされた方にも賛同いたします。

そこで、その上で、行かれると判断された方へ「一つだけ」提案です。

キャンプは基本それぞれの個の内包的な楽しみであり、他へ知らしめることがそれを過剰に上回るということはないと思っています。目的として、です。

ならば、この緊急事態宣が出されている期間中だけは、SNS等で、通常の発信レベルを少し抑えてみてはいかがでしょうか。

緊急事態宣言という名のもとに「キャンプやってますー!」というのはどうしても周囲が違和感を与えてしまうでしょうし、気持ちよく「いいね」とはいいがたいところも出てくるでしょう。

緊急事態宣言において、その余波による苦渋、辛酸を舐めざるをえない方々が多数おり、そのお辛い立場はいかばかりかと思います。GWどころではないのが実情でしょうし。

緊急事態宣言下では、なにがしかの我慢の共有が必要で、キャンプ場閉鎖にまでなった緊急事態宣言1回目の時にはキャンパー、キャンプ場双方で我慢をし、緊急事態を終わらせることへ同調できました。

発信のレベルを抑える、これは我慢というよりひとつの「思いやり」なのかな、と思います。規制でも何でもありません。

でも、キャンプのように自然に触れて優しくなれるレジャーだからこそ、対岸の火事とはせず、そのときは少し静かにして、出かけることもままならずご苦労なさっている方の気持ちに少し思い遣ってあげたいじゃないですか。

とはいいつつも、ずっと我慢しているのも身体に悪い?ので、せめて宣言が取り下げられるまでにし、その後は「〇〇へ行ってきた」というような、改めてのカタチで小出し?徐々出し?まとめ出し?とかで行うなんていうのはいかがでしょうか。

SNSはその時に発信しなけりゃ意味ないじゃないかといわれるのもわかっています。特にツイッター、インスタなんかは即時性でこそだとは思います。

それはその通りとして、すべてが思い通りとはいかないのがまさに緊急事態なので、どこかで抑えるべきことが必要になってくると思います。

繰り返しになってしまいますが、キャンプへ行くのであれば、各自の感染対策の徹底、そしてキャンプ場が示すガイドラインの遵守、そちらを第一に、なによりも各自のご留意お願いいたします。

成長と同時に、社会を思いやり続けてほしい


いまやキャンプは拡大した大きなマーケットとなりました。

多くのCMでアウトドアやキャンプを意識したものが多数。自動車もSUVが全体の3割にまで拡大するほどにもなっています。

アウトドアの筆頭としてキャンプ自体がインパクトのある経済活動促進となり、キャンプ場の経済活動もそれに合わせて活発化していきます。

この経済活動が一過性のものとならないで欲しいし、同時に成熟したコンテンツとしてこれからも発展してほしいと願っています。

そのためにも、キャンプにおいて自然を愛するように、いつでも社会を思いやることのできるレジャーであってほしいと祈っています。

もう一度「緊急事態宣言」が何のためであり、一国民としてどうやって感染拡大防止に努めるか、そして多くの国民の苦渋の気持ちを互いにどう緩和していくか、そこにもう一度立ち返りつつ、自らのキャンプに投影しながらGWの行動を考えてくださるとありがたい限りです。

最後に、もう一つのお願い


各キャンプ場で厳格なコロナ対策ガイドラインが多数運用されています。そしてキャンパーも積極的に従われています。

ただ一つだけ実状を見て一番実行できていないのは、受付時の「密」の発生です。

満サイトの状態では実に難しい問題ですが、どうかキャンパー側でこれも一つのコロナ対策への協力なんだと心の余裕を持たれてキャンプ場側の対応へご協力ください。

そして変異種への留意として、かかりやすくなった子供たちを常に野放しにならないよう見守ってあげてください。

これはキャンプにおける安全の観点、あの道志での悲しい出来事を繰り返さないためにも、です。

どうか、よろしくお願いいたします。

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アウトドアライターSAM

一般社団法人日本オートキャンプ協会公認インストラクター・講師/星のソムリエ®。光学機器メーカーマーケティングディレクターを務める傍ら、キャンプブロガー、キャンプレポーター&アウトドアライターとして活躍。ブログ「SAMのLIFEキャンプブログ Doors , In & Out !」、HP「Sam-Home Sam-Camp~キャンプの宝物をさがそう!」。
著書に「ベテランキャンプブロガーSAMのお気に入りキャンプ場教えます」(ベースボールマガジン社)がある。

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