【知ってた?】キャンプでカートリッジガスこんろを使う人が忘れてはいけない3つのこと

公開日:2019 / 05 / 22
最終更新日:2019 / 06 / 14

日に日に暖かくなり、いよいよキャンプが楽しいシーズンになってきました。

気持ちのよい新緑のなか、何もしない自由を堪能するもよし、家族や友人同士でわいわい料理するもよし。キャンプは何度やっても格別なものです。

今回はそんなキャンプやバーベキューでは欠かせないアイテムのひとつである、調理のための火器、カートリッジガスこんろを安全に使ううえで、すべての人が知っておくべき3つのポイントを「使用前」「使用中」「使用後」の観点からまとめてみました。


※「カートリッジガスこんろ」とは、一般にLPガスを燃料とするこんろのことを言い、アウトドアでは直結型・分離型シングルバーナーや、ツーバーナーなどのタイプがあります。

楽しく安全にキャンプを楽しむために知っておくべき3つのこと

【使用前】そのカートリッジガスこんろ「PSLPG」マークはついていますか?

キャンプ人気の高まりとともに、最近ではバラエティに富んだキャンプ道具が簡単に手に入るようになりました。

特にインターネット通販などではさまざまな種類のカートリッジガスこんろ製品をよく見かけるようになり、中にはあまり耳にしないブランドの驚くほど低価格なモデルなんかも売っていたりします。

でもちょっと待って。その製品には「PSLPGマーク」がちゃんと付いていますか?

PSLPGマークとは?

ガス器具本体などに取り付けられたPSLPGマーク

日本国内で販売を許可されているカートリッジガスこんろは、「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(液石法)」により国に登録された検査機関での適合性検査をクリアしたことを証明するPSLPGマークを製品に表示することが定められています。

カートリッジガスこんろは、このPSLPGマークを表示しなければ、日本国内で販売することはできません。

近年、急速にこのPSLPGマークを取得していない輸入品がインターネット上を中心に数多く出回ってしまっていることが大きな問題となっています。

 

検査ってそんなに必要なの?

ガス機器は思っている以上に繊細な製品です。高い性能のために複雑な構造と精密さが求められるだけでなく、ほんの少しでも製品に欠陥があるだけで引火・爆発や一酸化炭素中毒など、即、死に直結するような事故を引き起こしかねません。

そんなデリケートな道具ですから、万が一でも不具合のある製品が世に出ることがあってはなりません。

そこで日本国内で販売されるすべてのカートリッジガスこんろに義務付けられているのが登録検査機関(一般財団法人 日本ガス機器検査協会)による適合性検査です。

検査は検査機関に提出された製品の詳しい検査と、量産品からの抜き取り検査など、製品がユーザーの手元に届くまでに何度も厳重なチェックがなされます。

検査の内容は、一定時間燃焼させたときに、一酸化炭素中毒の原因となる一酸化炭素が基準値以上に出ていないかどうかチェックする排ガス検査(下写真)や、

排ガス検査では燃焼時、なべの側面を上昇してくる空気を収集し、成分を測定。

わざと製品を落としたり、1万回以上も器具栓を回してみたりする耐久検査(下写真)

耐久検査ではひたすら器具栓を回し続けたあと、破損やガス漏れがないかどうかチェック。

ガス漏れがないかどうかを水中に製品を沈めてチェックする気密検査(下写真)など、多種多様。

気密検査では水中に沈めたパーツから気泡等が上がってこないかどうかチェック。

しかもそれは開発時だけでなく、一定期間販売が行われた後にも再度あらためて検査が必要など、考えられうる限りの厳重な検査が日々行われています。

もちろん海外から輸入された製品であっても、日本の法律に基づく独自の検査基準によって隅から隅までもれなくチェックされます。

きちんとPSLPGマークがついているガス器具を購入するべし

PSLPGマークが取得されていない製品は、こうした検査(日本国内で使用するうえで必要とされる検査)を通過していないということを知っておく必要があります。

そのうえで、カートリッジガスこんろを購入する際には、PSLPGマークがきちんと取得されている製品なのかどうか、確認するようにしましょう。

最近ではPSLPGマークを取得していることをHPや通販サイト上で明示しているメーカーや店舗も一般的になりつつあります。

価格が極端に安い製品であればPSLPGマーク未取得の可能性もあるのでご注意ください。

【使用中】誤った方法で使うと、知らぬ間に大事故の危険も!カートリッジガスこんろで最も注意すべき「一酸化炭素中毒」

ガス器具はガスという危険物を燃料とする以上、たとえPSLPGマーク取得品であったとしても取り扱い方法を誤れば、最悪の場合、命に関わる危険がある道具だということを忘れてはなりません。

特にテントなどの換気の悪い室内で起こる一酸化炭素中毒は、命の危険を伴う重大な事故につながります。ガス器具を使用するすべての人は、何はともあれこの一酸化炭素中毒の危険性を知っておく必要があります。

知らなかったではすまされない「一酸化炭素中毒」の危険とは?

室内や車内、テント内などの換気が悪い場所でカートリッジガスこんろを使用すると、酸素不足によって不完全燃焼が起き、一酸化炭素が発生します。

それを吸い込むことによって引き起こされるのが一酸化炭素中毒です。

厄介なのは、一酸化炭素は「無色無臭」であり、危険な状況にあるのかどうか簡単には判別がつかないことです。

また一酸化炭素中毒の自覚症状も、初期の場合で「頭痛、吐き気、めまい、集中力の低下、嘔吐、眠気」など、一般に風邪(インフルエンザ)の症状によく似ているため気づきにくいともいわれています。

濃度にもよりますが、数分から数十分で中等度または重度にまで進行し、手足のしびれや意識障害によってそこからは自力で動くことができなくなり、手遅れとなってしまいます。

アウトドアで「一酸化炭素中毒」を防ぐために

このように、危険な状況かどうか・自覚症状のどちらにも気がつきにくい一酸化炭素中毒を防ぐためには、何よりも換気が十分ではない場所では使用しないことが重要です。

換気が悪い場所での器具の使用は厳禁!

カートリッジガスこんろは必ず屋外で使用し、外が寒いからといってテントやクルマ、その他屋内ではガス器具を絶対に使ってはいけません。

万が一カートリッジガスこんろを使用中、上にあるような症状がみられ「おかしい」と思ったら、すぐに使用を止め、新鮮な空気のある場所に移動しましょう。

【使用後】器具の故障チェックと日々のメンテナンスのポイント。シーズンはじめは要注意!

忘れてはならない最後のポイントは、カートリッジガスこんろを使用した後から次に使用するまでにチェックしておくべきメンテナンスについてです。

正しく使っていても交換が必要なOリングの劣化には要注意

カートリッジガスこんろを構成する部品のうち、使っていても、いなくても、年月とともに劣化していく部品があります。

ガスカートリッジとカートリッジガスこんろの接続部分にある、ガス漏れを防ぐための「Oリング」と呼ばれるゴム製の環状パッキンがそれです。

シーズン初めなどは特にですが、点火する前にはこのOリングがささくれていたり、切れていたり、縮んでいたり、ひび割れたりしていないか確認しましょう。

そのうえで、ガスカートリッジとカートリッジガスこんろを接続してみて、接続部分からガス漏れの音や異臭がしていないかチェックしましょう。

Oリングをよく見て、ささくれ、切れていたり、縮んでいたり、ひび割れたりしていないかチェック!

Oリングは5~7年程度での交換が推奨されています。劣化するとゴムに切れ目・ささくれ・ひび割れなどのキズが見られるだけでなく、ゴム自体が全体的に硬化したり縮んだりします。

Oリングの交換は決して自己流で作業せず、各メーカーや販売店の指示された方法で交換するようにしましょう。

ヘッドが汚れていないかも忘れずにチェック

カートリッジガスこんろのヘッドに付いたスス汚れや細かいごみは、燃焼に影響してしまうことがあります。

それを防ぐため、使用した後は汚れやホコリをブラシなどで優しく落とし、目詰まりを取ります。繊細な部分ですので、無理に擦らず、傷つけないように丁寧に作業しましょう。

詳細なメンテナンス方法はメーカーにより異なることもありますので、詳しくは各販売店、もしくはメーカーに問い合わせるようにしましょう。

ヘッドの目詰まりはブラシなどで優しく除去。

最後にきちんと点火装置が働くかも念のためチェック

点火装置は外見からは分からなくても、何かの拍子で内部が故障したり、錆びたりしてしまうかもしれません。

スイッチを押してきちんと点火するかチェックします。万が一動かない、火花が起きない場合は各販売店やメーカーに問い合わせ、修理などの対処を行いましょう。

なお点火装置は高所などの環境によって使用できない(点火しない)ケースもあります。

その時のために、念のためライターなどを携帯しておくようにしましょう。

現地で着火しなかったからといってすぐに故障と断定せず、戻ってからあらためて確認してみてください。

まとめ

キャンプ道具の日々のメンテナンスや安全への気配りはどうしても億劫になりがちですが、カートリッジガスこんろは特に正しく使わないと思わぬ事故につながる可能性のある器具であることを忘れてはなりません。

愛着のある道具を長く使うことは素晴らしいことですが、大事に使っていたとしても、ゴム製パーツをはじめ、使用状況によっては金属疲労や摩耗などさまざまなパーツの劣化は避けられません。

劣化が無視できない程度になってしまう前に、日進月歩で進化している新しいカートリッジガスこんろへの買い替えを検討しましょう。その際はPSLPGマークの確認をお忘れなく。

購入前の確認や、定期的な点検・メンテナンスを欠かさず、安全で楽しいキャンプライフを!

監修:一般社団法人 日本ガス石油機器工業会

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