日本の都道府県のうち、どこよりも人口が少ない鳥取県。
正直、鳥取県のことをあまり知らないという方も、1人や2人ではないと思います。

だからこそ、伝えたい。実は、鳥取県にはアウトドア好きにはたまらない冒険の名所がたくさんあることを。
日本が誇る名勝、旧跡、天然記念物。広大な自然が手つかずのまま守られている国立公園。四季ごとに表情をがらりと変える景観と、鳥取県の地形だからこそ楽しめるアクティビティ。

LANTERN編集部がゆく!鳥取県を大横断するキャンプを、ぜひともご覧ください。

【編集部レポ】砂丘に山そして、蟹!鳥取の隠れた名所を求めて鳥取県東京本部へ!!

さて、予告編にて、鳥取県東京本部の皆さまから、鳥取県の魅力をたっぷり教えていただいたLANTERN編集部。
「これは実際に行くしかない!」
仕事であることも半ば忘れて、羽田空港を飛び立ちました。

羽田空港から80分。降り立ったのは、鳥取砂丘コナン空港。レンタカーに乗り込み、地図を広げて、旅の最終目的地に印をつけます。その場所は、米子鬼太郎空港。
『東のコナン空港』『西の鬼太郎空港』ともいわれる2つの空港は、呼び名のとおり鳥取県の東西に位置します。つまり、東部から中部、西部にいたるまでの大横断ルートを走り抜けるのです。日程は一泊二日。鳥取県の知られざる名所に迫りながら、もちろんキャンプも楽しみます。

勢いよくアクセルを踏んで、いざ、出発!

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鳥取県の魅力を満喫 -おすすめスポット-

 

日本最大級の海岸砂丘「鳥取砂丘」

最初の目的地は「鳥取砂丘」。東西16km、南北2.4kmに広がり、その中心部は国内で唯一天然記念物に指定される海岸砂丘で、大きく波打つような起伏が特徴で、「馬の背」と呼ばれる砂の丘の高さは標高47mです。隣接するのは日本海。吹きつけ潮風が、広大な砂の表面に、天然のアートとも呼ぶべき美しい「風紋」を描きます。アウトドア好きだけではなく、老若男女が胸を打たれる絶景は見逃せません。

施設紹介
鳥取市福部町湯山2164-661▶MAP
お問合せ先:0857-22-0583(鳥取県生活環境部砂丘事務所)
公式サイトはこちら

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いざ、一面の砂の世界へ!

鳥取砂丘コナン空港から、車を走らせること約15分。空港名に含まれるのだから当然ですが、あっというまに!鳥取砂丘に到着します。
さすがは鳥取県のシンボル。平日の早朝にも関わらず、他の観光客の姿もちらほらみられます。飛行機から覗けた巨大な砂丘が、ついに目の前に。自然と胸が高まります。
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おっと、その前に。
日本の砂丘の中で唯一国の天然記念物に指定されている「鳥取砂丘」には、気をつけたい禁止事項がいくつか存在する模様。環境破壊が取り沙汰されている昨今、自然が残してくれた財産は国民全員の力を合わせて守り抜いていきたいものです。ふむふむとしっかり読み込んでから、砂丘へと足を踏み入れます。

    • 砂上への落書き
    • 砂丘内の砂の持ち帰り
    • テントなどの仮設工作物の設置
    • 車両等の乗り入れ
    • 砂丘海浜での遊泳

など

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ひ、広い!

砂丘におどり出ると、そこには迫力の景色が待っていました。一面に広がる砂、砂、砂。おどろくほど見通しがよく、遠くの観光客が、まるで豆粒のように小さくみえます。開放感に、都会の狭さを思い知らされた気分。これが「世界の見方が変わる」体験なのでしょうか。

こんもりと盛り上がっている起伏は「馬の背」。47mの高い丘の向こうの反対側からは、心地よい波音が届いてきます。真下に立つと、砂の要塞とも呼ぶべき圧倒的な姿に、思わず笑みがこぼれました。なんとなく、冒険家の興奮が理解できたような気がしました。砂に足をうずめて、ときによろめきながら、一歩一歩「馬の背」を登ります。
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やっとの思いで登り切ります。この高みが気持ちいい。
さらに、日本海側へと目を向けてみると……。
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一瞬、わが目を疑いました。くじら!?
海のど真ん中にご注目。くじらの背中が浮かび上がっています!

……ではなく、正体は「くじら島」と呼ばれる島でした。どうやら有名な写真スポットだとか。

このころになると、砂丘の歩き方にもずいぶん慣れてきました。はじめはスニーカーやボトムスの裾を汚していましたが、歩幅を小さくすることで克服。ちなみに、鳥取砂丘市営駐車場の向かいにある「鳥取砂丘会館」や「らくだ屋」では長靴を、「鳥取砂丘パークインフォメーション」ではサンダルを、それぞれレンタルできます。

鳥取砂丘を駆け抜けるアクティビティ「FAT BIKE」

鳥取砂丘すぐ近くの「鳥取砂丘会館」で、横一列に並べられた極太タイヤの自転車を発見。その名は「FAT BIKE(ファットバイク)」。タイヤがグリップできるとは思えない砂地を、ぐいぐい突き進むオフロードタイプのバイク(自転車)です。
「鳥取砂丘」の中心部は基本的に車両の乗り入れは禁止されていますが、走行可能な場所でインストラクターと一緒に乗ることができるアクティビティです。

施設紹介
鳥取県鳥取市福部町湯山2164▶MAP
TEL: 080‐1649‐1796(トレイルオン)
営業時間: 9:30~18:00(不定休)
実施期間: 3月~9月、10月~12月
公式サイトはこちら

 

コースは往復約7km、所要時間は120分ほど。ペダルを踏みしめて、非日常な景色を走破していく興奮は、この場所が日本であることを忘れさせます。
男女比は4:6で、おどろくことに女性の数が上回っているそう。年齢層は、9歳から74歳までさまざま。全国各地から挑戦者が集まっており、初心者のファミリーから熟練のサイクリストまで、幅広い支持を得ています。
鳥取県東京本部も太鼓判を押す人気のアクティビティ。
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写真左の男性は、「FAT BIKE」の導入を考案した小椋宣洋さん。「『鳥取砂丘』には使われていない道がある。それを有効活用したかった」と考えたことがきっかけだったそう。これほど稀有(けう)な絶景を、たくさんの方に体感していただきたい気持ちは、いまではよくわかります。

「FAT BIKE」に挑戦!潮風を切って砂浜を走る

それではさっそく、「FAT BIKE」にチャレンジ。
今回は、コースを走るだけのプランではなく、鳥取砂丘の見どころをガイドしていただくプランを選びました。
10分間のレクチャーを受けたら、レッツ・スタンバイ!

目の前に広がるのは、4車線道路をはるかに凌駕する雄大な砂の道。風を切って疾走したら、どれほど気持ちいいことでしょうか。子どもみたいにウキウキしていると……。
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「これは珍しいケースですね」
小椋さんがさっそく一言、つぶやきます。写真の左奥、砂の表面にできた縞模様を指さしていました。

「前日に雨が降ったおかげですね。湿った砂が強風で乾き、風で流されてコントラストが美しいゼブラ模様になります」
まさに、天が味方してくれました!
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小椋さんのお話を聞いていると、ほかの観光客が集まってきました。なにを見つけたのかと興味を持っている様子。縞模様について教えて、一緒に盛り上がります。

「ほかの観光客との距離が近いのも、この場所ではふつうですよ」と小椋さん。
一期一会の出会いを楽しむ。これぞまさに旅の醍醐味です。鳥取砂丘のスケールの大きさが、心の壁という小さなものを取り払ってくれるのかもしれません。
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「FAT BIKE」を走らせながら、鳥取砂丘の見どころを回っていきます。
不安定な足場を、極太のタイヤがしっかりと噛み、力強く突き進む感覚。みずからの足を使って、さまざまな自然を巡っていると、冒険者の気分がよみがえります。

さわやかな潮風を浴びながら、海岸を突っ走る!
われを忘れて、海沿いのすれすれを走り抜けます。波が高い日だったのが災いし、靴がびしょぬれになりますが、気にならないほど楽しい。……とはいえ、濡れても構わない服装は心がけてください。
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みてください、鏡のような砂浜を。
天気がよければ、さながらボリビアの絶景スポット「ウユニ塩湖」のように、自分の姿が砂浜に反射します。

写真は小椋さんに撮影していただきました。「こんな写真を撮りたい」というご要望に、快く協力してくれます。過去にはウィリーする姿を写真におさめようと試みたお父さんもいたそう(笑)。
そんな雑談も交えながら、小椋さんのおかげで、鳥取砂丘を楽しく満喫できました。


汗を流した後は海鮮ランチ「鳥取港海鮮市場かろいち」

「FAT BIKE」の大冒険を終えると、すっかりお腹が空いていました。
鳥取砂丘から車を15分ほど走らせて、「鳥取港海鮮市場かろいち」へと向かいます。
こちらは、鳥取港より直送されたとれたての魚介を購入できる市場。市場だけではなく、その海の幸をふんだんに使ったお料理屋が立ち並ぶのも、大きな魅力だといいます。

施設紹介
鳥取港海鮮市場かろいち
鳥取県鳥取市賀露町西3-27-1▶MAP
お問合せ先:0857-38-8866
公式サイトはこちら

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ここに決めた!自慢のとれたて蟹料理がずらり「海陽亭」

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今回、お食事に訪れたのは「海陽亭」というお店。
平日でも大繁盛!
まださばかれていない魚たちが、いけすの中を泳いでいます。

メニューを注文して待っていると、豊かな香りをただよわせながら、おいしそうな蟹料理が運ばれてきました。
出ました、「蟹取県」!
鳥取県は、蟹がたくさん取れるため、「蟹取県」を自称しているのです。
「塩釜焼き(写真左)」と「親ガニ丼(写真右)」は、ともに「海陽亭」の人気メニューだとか。
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テーブルに用意されていた醤油を使う機会はありませんでした。それほど、素材の味がしっかりと引き立っています。蟹のうま味が、運動後の身体に沁みわたります。

お店の方も知識豊富。「オスとメスでは、メスのほうが身が引き締まっていて、濃厚な味がしますよ」と、笑顔で教えてくれました。
ちなみに、「親ガニ丼」はメスを、「塩釜焼き」はオスを使っており、同じ蟹なのに、それぞれ違ったうま味が楽しめました。
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「海陽亭」を出ましたが、舌に残った蟹の味がすっかり忘れられません。気づいたときには、蟹を求めて市場をさまよっていました。

値段はなんと、安いものだと400円ほど!
一方で、高いものでは20,000円を超えるものも。とにかく品ぞろえが豊富なのです。
今回は、お財布にやさしい2,500円の蟹を購入。夜のキャンプで調理するのが楽しみです。
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かろいちの見どころは、市場や料亭だけではありません。蟹が主役の水族館、「かにっこ館」もおすすめのスポット。
蟹と実際にふれあえる「ふれあい水槽」や、松葉がにが生息する深海の世界を再現した「松葉がに牧場」、世界一大きくなるタカアシガニの展示など、蟹の名産地ならではのアイデアが詰まっています。

入場料は無料。買いものに疲れてしまったお子さまと立ち寄るのにぴったりです。

次は【中部エリア】三徳山三佛寺で六根を清め、三朝温泉で六感を癒す

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