真夏でなくても温度上昇や直射日光に気を付けて!キャンプ必需品の車内保管について

公開日:2018 / 09 / 19
最終更新日:2021 / 06 / 07

真夏の暑さは少しやわらいだものの、まだまだ暑い日が続いていますね。こんにちは。Campeenaの安井直子です。

キャンプには欠かせないアイテムの1つに燃料があります。その燃料の中でもっとも手軽で利用率の高いものはCB缶やOD缶と言われるLPガスを使用したガス缶ですが、みなさん車内での保管はどうしていますか?
真夏は過ぎたとはいえ、天気が良ければ車内の温度は真夏並みに上昇するこの季節。

今回は、ガス缶の保管方法や危険性について、愛知県豊川市に本社のある新富士バーナー(SOTO)の坂之上(さかのうえ)さんにお話を伺ってみました。

ガス缶の素朴な疑問

Q、注意書きの危険温度(40度)以上になると、どんなことが起こるの?


ガス缶に充填されているガスはメーカーによって色々な種類・配合がありますが、いずれのガス缶も液体を気体に変えて燃焼させます。

車内など高温の環境下では、ガス缶内の液化ガスがどんどん気化して膨張。その結果、ガス缶が破裂してしまいます。単に缶が破裂するだけでも怪我や物損の危険性があるのですが、なにぶん、ガス缶は金属でできていますので…どこかにぶつかった拍子に火花が出たりすると、ガスに引火しさらに大変なことになるのはご想像の通りです。
高温になるような場所、火気のそばには置かないよう注意が必要です。

Q、車で移動する場合、ガス缶の管理はどうしたらいいの?

キャンプなど、自宅から使用先まで「持ち運ぶ」際には、直射日光が当たらないようにしていただければ大丈夫です。ただし、買い物や観光、キャンプ場に着いてテントを設営する際など、ガス缶から離れて「放置」するのはとても危険。日陰に停めた車内でも、「気付いたら日向になっていた」というようなこともありますから放置はやめましょう。

Q、キャップをしないで持ち運んだら、危険が増しますか?


ガス缶の注意書きには「―キャップをして保管してください。」とありますが、これには2つのことを予防する目的があります。1つ目は、ガスが漏れ出す危険性です。特にCB缶の場合は、ガスボンベの先端のピンが押されるとガスが出る仕組みになっています。運搬中に荷物がズレたりしてピンが押されてしまった場合、とても危険ですので、キャップ無しでそのまま持ち運ばないでください。

OD缶の場合には、燃焼器具側にピンが付いていますのでガスが噴き出す可能性は低いのですが、そのまま持ち運ぶと、接続部分にゴミが詰まったりしてしまう可能性があります。次回使用する際の不具合に繋がりますので、運搬の際にはキャップをして、万が一のガス漏れとゴミの侵入を防ぐ措置をとってくださいね。

坂之上さんありがとうございました。
バーナー用のガス缶以外にも同じ文章が、制汗スプレーにも虫除けスプレーにも記載されています。もちろん可燃性ですから、同様に注意して取扱いする必要があります。

その他にも車内保管に気を付ける必要のあるアイテム

ガスライター


ガスライターに関しても、持ち運びには注意が必要な一品です。国民生活センターの実験によると、直射日光が当たると1時間前後でガス漏れが始まり、危険な状態になるそうです。
参考:国民生活センター「乗用車内の安全を検証する」P11より

着火の道具として持参するならファイヤースターターがオススメです。「玄人向けでちょっと使いこなせないかも…」という方はマッチをご持参ください。一見危険そうに思えるマッチも、200度以上にならなければ自然発火しないので、炎天下でも安心ですね。
参考:日本燐寸工業会

リチウムイオンバッテリーを使用する電子機器


スマホやモバイルバッテリーなど多くの電子機器で使用されているリチウムイオンパッテリー。直射日光が当たるような環境下でスマートフォンを保管していると、「高温注意」の画面が出た経験はありませんか?このまま放置され続けると、バッテリーが膨張して変形したり、スマートフォンの液晶が割れてしまうこともあるそうです。

一般社団法人電池工業会によると、発火温度の規定はされていませんが、膨張したバッテリは衝撃に弱くとても危険だそう。持ち運びの際は直射日光を避け、車内に放置しないように注意しましょう。
参考:一般社団法人電池工業会

クーラーボックスで保管して移動してみた


キャンプ場についても、テントやタープが立つまでの数時間、どこに保管すべきか迷いませんか?チェックイン前に寄り道したい場所がある場合にはもっと不安が…。
そこで!今年の夏は特に暑かったこともあり、ガス缶やモバイルバッテリーをクーラーボックスで持ち運んでみました。冷凍の飲み物と一緒のボックスに、防水の袋などに入れて移動。途中、道の駅で買い足した野菜なども上に入れたりしましたが、エンジンを切って買い物している際なども安心して過ごすことができました。

どのぐらいの時間なら、どの場所に保管すれば大丈夫なのかは分かりませんよね?
だからこそ、「短時間なら平気!」「真夏じゃなければ平気!」と油断せずに過ごしたいものです。

まとめ

気にしつつ置いておけば「放置」していないつもりでいましたが、車から「離れて」「置いてある」状態は、メーカーさん的には事故が心配な「放置」状態でした。キャンプ場到着前に、観光や買い物など寄り道の予定がある場合には、ガス缶は自宅から持参せず、キャンプ場や現地近くのお店で購入するのも安全な方法の1つかもしれませんね。

おすすめ記事

Campeena 安井 直子

整理収納アドバイザーとして働くかたわら、母と子のためのアウトドアイベントCampeenaを主宰し、乳幼児連れのファミリーキャンプデビューをサポートする活動をしている。自身も3児の母。日本オートキャンプ協会公認インストラクター。

Campeenaブログ:http://campeena.com

「別冊ランドネvol.3親子でアウトドア」(枻出版社)に掲載
「母と子のためのハイキング&キャンプ」(地球丸)キャンプ同行、掲載
「LDK2017年6月号」アウトドア(公園デビュー用品)監修

Campeena 安井 直子の記事一覧