手の届きやすいアイテムをチャレンジし続けるテントファクトリーの原点に迫る

公開日:2017 / 09 / 26
最終更新日:2020 / 03 / 26

「スタンダード&リーズナブル」をキーワードに2012年にスタートしたアウトドアブランド「テントファクトリー」。4万円を切る大型2ルームテントや天然木を使用したチェアやテーブルなど、幅広いアイテムを手の届きやすい価格で提供する人気アウトドアブランドです。

今回は、テントファクトリーを展開する株式会社アウトサム代表の谷内氏にお話を伺うことができました。ブランドの生い立ちから今後の展望まで「テントファクトリーの魅力」を余すところなくお届けします。

都会暮らしだからこそ憧れたソトの世界


――いきなりですが、谷内さんとアウトドアの出会いを教えてください。
旅行が好きだったんですよ。
僕自身は生まれも育ちも東京で親戚も東京で、夏休みやお盆とか正月に地方に行く同級生に憧れてました。学生になったころ、バイトしてお金を貯めては、友達と二人で車中泊しながら全国を旅しましたよ。

――当時の車はなんだったんですか?
ブルーバードです。

――セダンに車中泊はキツイですね(笑)
まぁね。車の中に寝袋と飯盒を持って、お米だけ持って行っておかずは現地調達してということをしてましたね。
東北や九州など日本全国を旅しましたよ。電車で一人旅もしたし、ヒッチハイクもしたし、とにかく見知らぬところへ行ってみたい欲求が強かったですね。

テントファクトリーの成り立ち


――テントファクトリーをはじめるきっかけは?
前職は商社で、いろいろな海外用品を日本に輸入して販売する仕事をしていました。その中でもキャンプ用品をメインで立ち上げ成功させたんですが、キャンプってグローバルな遊びなので、日本だけじゃなく海外でも販売をしたいという想いがあり、色々と苦労して海外への取り引きなど進められそうだったんです。

だけど、当時はギリシャのデフォルト問題があって一緒にやろうと言っていたメーカーが離れて、海外進出の夢も潰えてしまいました。
組織にいると作りたいモノも作れず、また年齢的にも管理職としてモノ作りの現場を離れないと行けなくなってしまい、独立しようと決心しました。

いきなり海外と言っても協力してくれる会社もなく、まずは日本国内で実績を積んで、信頼してもらえるブランドを作ろうということでテントファクトリーを設立しました。2012年に立ち上げたのでちょうど5年が経ちますが、1ブランドでオートキャンプができるまでの商品ラインナップと、今年は台湾にも少しアイテムを出すことができました。

――テントファクトリーには何人の従業員さんがいらっしゃるんですか?
私1人です。1人で300商品をほどを手掛けています。

――1人なんですか!1人で300商品を企画して、発注して、カタログ作って・・・大変じゃないですか?
もちろん大変ですが、前職も1人でやっていましたし、多くの人間でやるものじゃないと思っています。会社自体は1人ですが、商品制作・流通関連等でそれぞれ専門パートナーがサポートしてくれています。

製造から販売まですべてを見渡せるので判断も早くでき、今何が必要なのかも直接感じとることができます。その感覚を直接製造現場に伝えるので、商品開発スピードも速くできますしね。

今後は会社の成長に合わせて、外部とも協力しながら少数精鋭のチームで活動を拡大していきます。

価格を上げない努力。多くの人の手に届くことが大事。


――テントファクトリーのお手頃価格の秘密は人にあったわけですね。
それだけではありませんが、大きな要因の一つだと思います。前職では、モノ作りと流通のどちらにも携わっていたので、ちょっとしたことが価格に反映されて、ユーザーに届くころには商品がすごく高くなってしまうことに疑問を感じていました。

それを抑えるためには、そこに介在する人を少なくすれば価格も、スピード感もいい方向に進みます。

――ぶっちゃけ、価格が安いと大丈夫かなと不安になりますが、どのように製品は作られていますか?
ほとんどが中国で作られています。
自分で直接行って製造してもらう工場に話をしに行きます。大きなメーカーほど発注数が多くないので最初は説得するのに苦労しますけど、地道に足を運び人間関係を作ることを大切にしています。

あと、売る方としては売れるモノを作りたいという気持ちはありますが、工場としては作りやすい形や規格があって、お互いのべストラインを見つけることが重要です。ここは長年の経験の賜物だという自負がありますね。

作りたいモノ、工場の負荷、価格、この3つが一番いい状態を作れるように交渉して、そして1回取引した工場は簡単には変えず末長くお付き合いすること。そうやって信頼関係を作れば、品質も価格もどちらもいいものができあがります。

――ただ安くというわけではなく、そこには谷内さんの想いがあるのですね。
はい。現地に行って作っている人たちと一緒にご飯を食べたり、人を知れば知るほど、この人たちの作ったものを適正な価格で、より多くの人に知ってもらいたい、買ってもらいたいと思います。

そうすると価格を抑える必要がありますよね。だから間に人をなるべく挟まないようにして、手頃な価格を実現しています。

――今の時代が谷内さんに合っていますね。
そうかもしれませんね。インフラが発達したことで、小さなチームでもスピーディに仕事ができる環境があることが大きいですね。

今、世の中が便利になっているので、新しい技術や取り組みを商品だけじゃなく、販売や流通にも生かせばそれがみんなにとって価値のあることに繋がります。


――今まで、一番苦労したお話は?
商品の仕込みですね。製造工場もいろいろ協力はしてくれていますが、やはり必要最低限の量は作らないといけない。ある程度軌道に乗ったことで商品の発注量も増えるので今の方が大変です。

あと、ネット販売が中心なので、買っていただくまでに時間がかかり、それまでの間待っているのに苦労します…。

それでもネット販売にこだわる理由は、ユーザーひとりひとりとつながっているという自覚を感じられるから。小売店からの情報でモノを作る時代ではなく、いかにユーザーの声を知り、そのニーズに応えるようなモノ作り喜んでもらえるかを日々考えています。

――なるほど。SNSなどでユーザーとの距離も近くなっていますからね。
そうですね。ただ、やっぱり顔を合わせることも重要だと思っています。だから今年はイベントやフェスに多く参加しました。

イベント出展した時に、テントファクトリーを知ってくれていたり、使ってると声を掛けてもらったり、喜んでくれるユーザーと出会う時が一番うれしいんです。

――面白い取り組みですね!では最後に、谷内さんが考えるテントファクトリーの未来を教えてください!
アウトドアという文化が、地域を活性化するために役立つことができたらと思っています。

たくさんの人が手にできて、日本中いろんなところでキャンプをしたり、人が動くことを作れれば日本経済にとって、とてもいいことですよね。その一端を担えたらと思っています。

まとめ


好奇心旺盛で人との関わりを大切にする谷内さん。自分の価値観をブランドとして押しつけるのではなく、多くの人がハッピーになれるモノ作りを追求する姿が、このブランドの価値であり人気の秘密だと感じました。

展示会の様子はこちら
テントファクトリー2019年春夏展示会で見つけた新作&アップデートアイテム

今回のインタビューにご協力いただいたお店


自然派グリルバル「原宿Hutte(ヒュッテ)」

住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-62-14 1F MAP
電話番号:03-6434-0950
営業時間:
11:30~15:00(L.O 14:30)
18:00~0:00(L.O 23:30)
定休日:火曜日
席数:店内32席、オープンテラス4席
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